復帰は自身の強い意志だという浅田真央

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 引退か、それとも現役続行か。

 昨年2月のソチ五輪以降、その去就が取り沙汰されてきたフィギュアスケートの浅田真央選手(24)。

 5月18日、都内での会見で、「完全復活できるように、自分も期待しながら日々の練習をしていきたいと思います」と現役続行の意向を明らかにした。女子フィギュア界きってのスターが決断を下す前には、マスコミの報道合戦が過熱していた。

「引退と現役続行との間で、報じられる内容は二転三転した。そんななか、5月13日にスポニチと日刊スポーツが『現役続行に向けて練習開始』と打った。しかし、その日のうちに発売された週刊文春は、『今月中に引退発表』と真逆の内容を報じた。今回の浅田の会見によって、こうしたマスコミの狂騒にもピリオドが打たれた」(スポーツ紙記者)

「連盟にとってカネのなる木」

「引退説」を報じた週刊文春は、5月28日号(文藝春秋)で「浅田真央 ?薄氷?を踏む現役続行」として、会見に至るまでの内幕を伝えた。

 同誌によれば、ソチ五輪でもコンビを組んだ佐藤信夫コーチは浅田の現役復帰に慎重だったとされる。ところが、浅田自身は復帰に強い意欲を示し、話し合いの末に再びリンクに立つことを決めたのだという。

 国民の多くが待ち望んだスターのカムバック。ただ、この決断に日本スケート連盟は胸をなで下ろしていることだろう。

「浅田にあっさり引退されて最も困るのはスケート連盟に他ならない。スター不在のこの現状ではなおさらだ。浅田は女子フィギュアの不世出のスター。同時に、連盟にとってカネのなる木でもあるからです」(アマチュアスポーツに詳しい週刊誌記者)

 アマチュア選手である浅田選手は、規約上、CMなどの出演料の一部を日本スケート連盟に納めなければならないことになっている。さらに連盟は、テレビ局から世界選手権や冬季五輪の莫大な放映権料を得ている。まさに「カネのなる木」だ。

「彼女は、複数の企業とスポンサー契約を結んでおり、そのCMなどの収入は1社あたり3000万に及ぶといわれている。浅田選手のおかげで連盟側は億単位の収入を得ていることになります」(同前)

 連盟としては、なんとしても引退を阻止したいわけである。ただ、浅田選手の人気に依存すればするほど、女子フィギュア界の地盤沈下を招きかねない。

「浅田選手が現役のままだと、若手選手に十分な強化費を回すことができなくなる。若手の芽を摘むことにもなるわけです。浅田選手におんぶにだっこの現状では、いつまで経っても後進が育たず、女子フィギュアの人気も下がる一方だ」(先のスポーツ紙記者)

 真央ちゃん人気は、連盟にとっての?禁断の果実?になりつつある。

(取材・文/浅間三蔵)