人民日報、「漢字発明は韓国人」説に憤激

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   「お笑い!韓国人が漢字を発明しただって?」こんなタイトルの記事が中国・人民日報社のウェブサイトに掲載された。この記事では「漢字を韓国人の発明として世界遺産に申請すべし」という進言がある、という話などを紹介。極めつけは「孔子は韓国人」説。この荒唐無稽ともいえる主張に、中韓のネット上では激論が繰り広げられている。この「ゴーマン主張」が日本の週刊誌やテレビでも報じられ、日本でも失笑の声が上がっている。

   この記事が掲載されたのは、2006年10月25日。それによると、騒動の発端は漢字を研究するウェブサイトに、韓国人が投稿した英語の文章だ。この文章はまず、囲碁、サッカー、サムスン電子の製品などで韓国が優れていると述べた上で、「13億人口を持つ民族が8千万人の人口に負けたのは、韓国人はあらゆる分野において中国人より優れているからだ」としている。

えー?「孔子は韓国人」

   さらに、「漢字も韓国人が作ったもの」と主張。例えば、伝説によれば、音楽と文字を発明した「伏羲」は優れた弓術で有名な「東夷国」(現在の中国山東省)の出身だが、韓国はアーチェリーが強いから漢字を作ったのも韓国人だ、など4つを根拠として挙げている。加えて、「未確認」と断りながらも、ソウル大学の教授が「堂々と漢字を復活させ、国連に漢字を世界文化遺産にするよう申請せよと政府に提言した」という話も伝えている。

   さらに人民日報の記事は、「韓国側は伝統文化の分野における様々な挑発を図っている」とヒートアップ。

   韓国が「端午の節句」を韓国発祥の「世界無形文化遺産」としてユネスコに申請したところ、見事に認められたことについては「我々中国人は反省せざるを得ない」とした上で、

「漢方医学(中医)を『韓医』に改めて世界遺産に申請しようとしている」
「韓国はドイツで『印刷術の起源国―韓国』という展示会を開いた」

など、中国起源のものが「韓国発」に書き換えられようとしているケースを紹介している。極めつけは、「孔子は韓国人」説だ。

「孔子の生地とされる場所が、韓国によると、以前は韓国領だったから」「朝鮮半島で最初に立てられたとされる『箕子朝鮮』の王と孔子が血縁関係にある」

   こうしたことから結論を導き出す、という驚くべき説を展開している。

「韓国人は計画的に我々の文化遺産を略奪」

   人民日報の記事は、これらの「ゴーマン主張」を受けて、

「ネット上で『韓国人はすでに計画的に我々の文化遺産を略奪し、韓国民族の偉大さを確固たるものにしているようだ』という声も聞こえるようになった。多くの人は中国伝統文化の保護を呼び掛けはじめたのである」

と、韓国への警戒を呼びかける文章で終わっている。

   11月16日には、朝日放送(ABC)の情報番組「ムーブ!」が、この話題を紹介、評論家の宮崎哲弥氏が

「元々中国と韓国は仲が良いわけはない。歴史的に見てもそう。中華思想を展開していったときに、朝鮮半島はそれに飲み込まれた。それで根底の部分で反中感情がわだかまっている訳ですよ。両国で近代的ナショナリズムが発展するにつれて、それが表に出始めてきた、ということ」

とコメントした。ネット上でも、失笑を呼ぶニュースが多く紹介される「痛いニュース+」という掲示板にスレッドが立ち、

「次は何が起源になるのかすごく楽しみだ!!! こいつらのギャグは最高!え?マジなの????」

などと、冷ややかな反応が続いている。