「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」のロゴデザインと車両(画像提供:JR西日本)

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まもなく姿を消す豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」。しかしその名前は、今後も走り続けることになりました。JR西日本が2017年春から運行を予定している新たな周遊型豪華寝台列車が、「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」という列車名になるのです。

ロゴマークにも「トワイライト」の意匠が

 JR西日本は2017年春から新たに周遊型の寝台列車を走らせることを計画しており、その列車名が2015年2月19日、発表されました。「TWILIGHT EXPRESS 瑞風(トワイライトエクスプレス みずかぜ)」です。

 2015年3月、25年間で約110万人を乗せた豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」(大阪〜札幌)が、車両老朽化を理由に運行を終了します。その名前が廃止から2年後、新たに登場する豪華寝台列車で復活するわけです。JR西日本は「トワイライトエクスプレスの伝統」を受け継がせたといいます。

 「瑞風」とは「みずみずしい風」のことで、「吉兆をあらわすめでたい風」という意味を併せ持つそうです。また稲穂が豊かに実る日本の美称として、「瑞穂の国」という呼び方があります。その美しい瑞穂の国に、新しい「トワイライトエクスプレス」という風が幸せを運んでくる、という情景が列車名にイメージされているそうです。

 ロゴデザインについては「瑞風」の「M」を沿線の山並みに見立て、吹き抜ける風を「トワイライトエクスプレス」の象徴であり、そのロゴデザインで使用されていた天使で表現したといいます。また列車名「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」のうち、「TWILIGHT EXPRESS」はサブタイトルになります。

 また「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の車内で提供される食事も、「トワイライトエクスプレス」で培われた車内調理の伝統を引き継ぎつつ、朝昼夜の食事ごとに「食の匠」がメニューを監修するとのこと。JR西日本は「恵み豊かな西日本の食の素晴らしさ」をお届けするとしています。

東西で走り出す「日本」という列車

 JR西日本が運行予定の新しい寝台列車は京阪神と山陰、山陽エリアでの運行が予定されており、客室車6両とパブリックスペースである食堂車1両、ラウンジカー1両、展望スペース付き先頭車2両の10両編成。ディーゼル発電機で生み出した電力とバッテリーアシストでモーターを駆動する「ハイブリッド方式」が採用されているため、電化されていない山陰本線の鳥取や島根、山口県内などでも走行することができます。

 また列車後方にオープンエアのデッキが設けられ、その土地の風や香りを感じられるのも特徴です。定員は30名程度が予定されています。

 こうした周遊型の豪華寝台列車、クルーズトレインについては2013年10月からJR九州が「ななつ星in九州」の運行を始め、JR東日本も「TRAIN SUITE 四季島(トランスイート しきしま)」を、JR西日本の「瑞風」と同じく2017年春から運行を予定しています。

 ちなみに「四季島」の名は日本の異称である「敷島」が元。そのため2017年春から「日本」が名前の由来になっている豪華寝台列車が東西で走り出すことになります。

「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」スペシャルサイト
http://twilightexpress-mizukaze.jp/