あれ無料通話プランなのに通話料金が発生している?覚えておきたい無料にならない「通話し放題プラン」の落とし穴

写真拡大

今年の夏は大手ケータイ各社で、大きな変化が生まれた。各社が「通話し放題」サービスを開始したことである。8月13日よりKDDIと沖縄セルラーが「カケホとデジラ」をスタート、これでNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、ワイモバイルと大手ケータイ会社の4社が国内通話し放題プランを提供することとなった。

「ケータイ電話し放題時代」の幕開けである。
ワイモバイルを除く3社は2,700円ないし2,200円(ともに税別)の基本料金を支払うことで、国内通話を原則として無料にしている。基本料金こそやや割高だが、どこに電話をかけても無料となるのは経済的にも精神的にもメリットは大きい。ついつい今まで以上に電話してしまうこともあるだろう。

しかしながら最近、知人から通話し放題プランを契約しているのに電話料金がかかったという相談を受けた。詳しく聞いてみたところ、知人は”ある番号”へ電話していたことが判明した。

通話し放題プランを提供している各社のホームページを調べてみると、どうやら通話料金が無料とならない通話があるようだ。
「国内通話無料」としながら、国内で通話したのにお金がかかるなんて、とんだ落とし穴だ。それはケシカランということで、ここはビシっと調べておこうではないか!

●気をつけたい「通話料のかかる番号」とは
実はプラン名やプラン内容をよくよく見ると各社とも「国内通話無料」や「原則国内通話」という表記にしていることに気づいた。今回はその「※」や「原則」の部分を紐解いていこう。

・国際ローミング中の携帯電話
これは、通話し放題プランを契約している携帯が旅行や出張など何らかの事情で海外にある場合。日本からかかってきた電話に出た場合、通話し放題プランであっても国際ローミング着信通話料が発生する。また、当然ながら海外から電話をかけた場合も所定の料金が発生するため注意したい。つまり、海外では「電話をかけること」「電話に出ること」両方とも料金が発生すると覚えておこう。

・国際電話
海外への通話も当然ながら通話し放題対象外となる。これも所定の国際電話料金がかかってしまうため、無料だと思い込んで通話をしてしまうと短い時間で多くの通話料が発生してしまう。

上記2つのパターンは国内通話ではないため、誰でも比較的わかりやすいと言える。しかし、これ以外も国内通話でお金のかかるパターンがある、さっそく紹介しよう。

・番号案内(104)
お店の電話番号を調べるのに便利な「104」も通話し放題の対象外なのだ。
現在はインターネットが普及しているので、お店の電話番号を調べるときはネットでお店の名前などを検索して調べるとよいだろう。ちなみに、似た番号だが「天気予報(177)」や「時報(117)」は無料となる。ちなみに天気予報は177の前に市外局番を付けて発信することでその地方の天気予報を聞くこともできる(東京では03177、埼玉では048177など)。

・0180や0570など他社接続サービスへの電話
これは、テレドーム(0180〜)やナビダイヤル(0570-0〜)、空電プレミアム(0085〜)といった他社が通話料を設定しているものは通話料が発生する。基本的には何かしらの自動音声案内が流れるため、注意して聞くようにしよう。また、中にはテレビ番組でアンケートに答える電話番号や、懸賞ができる電話番号も、こうした仲間なので料金がかかることが多い。

番号案内、他社接続サービスは気をつけておかないと料金が発生していることになるので、もっとも注意したいポイントである。
なお、特殊なケースで料金が発生するものもあり、続けて紹介しよう。

・衛星船舶電話、衛星電話
山間部への登山や、漁船などで利用するこれらの衛星船舶電話や衛星電話も通話料が発生する。

・SMS(ショートメッセージサービス)
これは通話ではないが、NTTドコモとKDDIはSMS送信料として3円(税別)が発生する。またソフトバンクモバイルも他社へメール送信した場合は料金が発生する。

原則として上記の内容は定められた通話料が発生すると考えて良い。
特に「0570-0〜」や「0180〜」は覚えておかないとわかりにくいため、注意しよう。
無料となるのは、「携帯電話あて」「市外局番のある国内固定電話あて」とシンプルに考えるのが良さそうである。

●注意が必要?ケータイ会社によって異なる有料になる一部の電話番号
なお、「市外局番のある国内固定電話あて」であってもごく一部の電話番号は有料となる。
ソフトバンクモバイルやワイモバイルでは、通話料が無料とならない電話番号一覧を公開しているため、確認したほうが良さそうだ。また、ワイモバイルは留守番電話センターへ電話する際も通話料が有料となるため、ワイモバイル(旧イー・モバイル、ウィルコム)ユーザーは覚えておこう。

スタートしたばかりの各社「通話定額プラン」。発信時に通話無料相手か否かを知らせるなど、もう少し解りやすくなることを期待したい。


布施 繁樹