前半46分、本田と岡崎の攻撃でゴール奪った (撮影/岸本勉・PICSPORT)

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「1.5軍のような相手に攻撃的に行ったら1-4という結果ですから……すごく考えられるし、力不足と言ったらそれまでだし。今はそれしか考えられないですね」

いつも顔が笑っているように見える岡崎だが、なぜかこの日は能面のような無表情に見えた。得点のことを聞いても帰ってくるのは乾いた言葉。

「自分のせいで失点してしまったので、それを取り返したのは気持ちとして大きかったし、試合の入りから常に裏を狙い続けていて、トシ君(青山敏弘)が常に自分を見てくれていたのは今までと違いました。それに比例してみんなが自分を見てくれて自分の良さは出たと思います。でも、総合力的に自分に足りないものがありました。自分の力のなさを感じた大会でした」

「国と国との真剣勝負で勝つためには、『個の能力』と言えばそこまでだから、そう言いたくはないのですが、それを自分は感じました」

「自分の好きなところにボールが来たらある程度できるというのはありました。ですがワールドカップになるとそれだけじゃない。抑えられたとき、自分の総合力が問われると思いましたから、自分がやってきたことはまだ足りなかった。結果を出すのには足りなかったと思います」

「自分たちがやってきたことを相手に封じられて、もっと前に行こうとしたらバランスを崩して1-4で負けたし、守ろうとしたら1-2でコートジボワールに負けた。一つのパターンが崩れると、それがダメだったときにもうダメで、自分たちを貫かせてもらえなかった。封じられたときに何もなかったと思います」

「ギリシャが2-1で最後に持っていったというのは本当に皮肉で、自分たちが行きたかったところに行かれてしまいました。本当に悔しい。整理できないです」

最後まで岡崎は感情が表に出なかった。ミックスゾーンの最後で待ち、もう一度声をかけたが表情は動かない。岡崎が見たのは、自分たちの後ろにあった深淵の闇だった。

【取材・文/森雅史(クイアバ)、撮影/岸本勉・PICSPORT】

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