中国の李克強首相は２７日、天津市を訪れ浜海新区などを視察した。まず大手リース会社の工銀金融租賃有限公司を訪れたが、同社側の説明を再三さえぎり、「政府をほめてばかりいるのではだめだ」などと釘を刺した。中国新聞社が２９日付で報じた。

　　中国では、企業が業績などを説明する際に、「政策のおかげで」などと、共産党や政府をまず賞賛する場合が多い。詳しくは報じられていないが、工銀金融租賃の説明者も、“紋切型”の政府賞賛をしたと考えられる。

　　李首相は３度にわたって説明をさえぎり、「調整してよい政策は何かね」と逆に問いかけた。さらに「政府をほめてばかりいるのではだめだ。われわれの行政や許認可の方法は、先進国のようにすぐれてはいないと、認めねばならない。これらの問題はかならず改善して、企業の発展に適合させねばならない」と述べた。

　　李首相は工銀金融租賃が大型航空機や船舶などを自主判断で購入してリースしていることを賞賛し、「リース業は金融が実体経済を支持する新たな挙動だ。新たな“高地”でもある」と述べ、魯迅の言葉を引用して「あなたがたは、最初にカニを食べる人になってほしい」と激励した。

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◆解説◆

　　魯迅（１８８１−１９３６）年は１９３２年に発表した「今天的両種感想（本日の２種の感想）」で、「初めてカニを食べる人を崇拝する」と論じた。習慣にとらわれて新たな挑戦にしり込みするのが人の常であるにも関わらず、気味の悪い姿をしているカニをあえて食べて、美味を発見したと評価した。

　　魯迅はさらに「クモを食べた人だっているに違いない。ただ、おいしくなかったから、後の人は食べなくなったのだ」と論じ、新たな試みに成功した人にも失敗した人にも心から感謝すべきだと主張した。（編集担当：如月隼人）