国民の憎しみ、怨念……民主党復権は至難の業
「普通の負け方なら参院選での揺り戻しもあるでしょうが、昨年末の衆院選で民主党が受けたダメージは致命的。党名を変えるぐらいの思い切った対策を取らない限り、民主党の復活はありません」
そう話すのは前財務副大臣の藤田幸久氏だ。藤田氏は民主党参院議員。昨年末の衆院選で民主党が壊滅的敗北を喫したのを受け、民主党の海江田万里代表に党の改革案を提言。海江田代表は「貴重な提言であり、取り入れたい」と応じた。
藤田氏によると「選挙民には今、民主党への憎しみ、落胆、怨念が渦巻いており、よほどのことをしない限り、信頼の回復はできない状況」という。
「政治を変えてくれると民主党に期待していた分、裏切られたという失望感や怨念が非常に強い。個々の議員とは付き合うが、もう民主党には期待しないという人が多い」と藤田氏。今夏の参院選を控え、危機意識は強まる一方だ。
選挙で大敗した政党は「負けすぎた」分、次の選挙で勢力を盛り返すのが一般的。だが「怨念の度合いがとても強く、今のままだと参院選で民主党に票は戻ってこない」(藤田氏)状況だ。
「海江田代表には“国民の期待を裏切ったのだから、現執行部のメンバーは無論のこと、鳩山由紀夫、菅直人、野田佳彦の首相経験者、派閥対立で国民を幻滅させた小沢一郎氏、落選した仙谷由人元官房長官らが福島の被災地に入り、復興支援に全力を傾けるといったことから始めるべきだ”と申し上げました」(同)
要するに、頭を丸めてお詫び行脚せよ、ということだろう。
「さらに、海江田代表らが、衆院選で民主党議員が落選した選挙区を全部回って、落選議員、かつての支援者の一人ひとりに謝罪し、敗因を分析し、出直しを約束することも必要です。会社にたとえると、元社長と前社長ら経営陣がケンカを繰り返した結果、社会の信用を失い、4年前の新人145人中、生き残ったのは5人。経営責任は極めて大きい」(同)
だが、海江田執行部のお詫び行脚の話は一向に聞こえてこないし、総選挙の責任者だった日教組出身の輿石東前幹事長は相変わらず参院議員会長に居座ったままだ。やはり民主党の復権は至難の業と思わざるをえない。