打ち上げ競争も激しい「ロケット」っていくらするの!?

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一心に天を目指して昇っていくロケットの発射シーンは力強く、これを実際に見ると大きな感銘を受けます。

ロマンのない話で大変恐縮ですが、この「ロケット」、いくらぐらいするのでしょうか? 調べてみました。

アポロ計画は1961年から1972年にかけて実施されたもので、6回の有人月面着陸に成功するという華々しい成果を挙げました。

このアポロ計画は、「1960年代中に月面に人間を立たせてみせる!」というアメリカの威信を賭けて推進されたプロジェクトでした。

1966年にNASAはこの壮大な計画に対し「13年間で227億1,800万ドルになる」と予算報告をしています。

専門家の推定によれば、実際にかかったのは1969年当時換算で約254億ドル、2005年換算で約1,350億ドルと推定されています。

2005年の円ドルレート(1$=約113円)で計算すると、15兆2,550億円になります。

ちなみにサターンロケットにかかった費用(宇宙船を含む)は合計830億ドルと見積もられています。

日本円で9兆3,790億円(1$=約113円)。

ちなみにアポロ計画(およびアポロ応用計画)では、合計23基のロケットが打ち上げられました。

これを単純に割ると、1基あたり4,077億8,260万円になります。

1981年から2011年にかかて運用されたスペースシャトルは「宇宙往還機」として花形でした。

往還機は使いまわしするので安くつくという話で始まったのですが、結果はうまくいきませんでした。

この30年間、計135回の打ち上げで費やされた費用は2,090億ドル。

1$=80円で換算すると16兆7,200億円で、単純に割ると1回あたり1,238億5,185万円になります。

ただ、2010年のNASAの公式発表によれば、1回のミッションにかかるコストは約7億7,500万ドルとのこと。

1$=約80円計算で約620億円になります。

ちなみにスペースシャトル自身の製造コストは、エンデバー号の製造時で約18億ドルとのこと。

1$=約80円計算で約1,440億円になります。

結果として高くついてしまったスペースシャトルですが、その果たした役割は非常に大きく、決してその成果が貶められていいものではありません。

日本の国産ロケットは非常に優秀です。

安定していて信頼性も高く、ペイロードも大きい、世界に誇れるロケットです。

現在運用されているのは最新型の『H-IIB』(エイチツービー)と呼ばれるものですが、この価格はいくらでしょうか。

JAXA(宇宙航空研究開発機構)に伺ってみたところ、「2009年(平成21年)に打ち上げられた試験機1号機が約147億円。

2号機以降の価格は開示していませんが、それよりも下回る価格でしょう」ということです。

というのは、製造は三菱重工が行っていて直接の価格は公示されていないのです。

ちなみにH-IIBは3号機まで打ち上げが完了しています。

また、1つ前の世代のロケットH-IIAの価格をJAXAに伺ったところ「1機あたり約100億円弱。

2号機以降の価格はそれよりも安価」なのだそうです。

アメリカの盛大なお金の使い方を見ると、日本は非常に着実に、確実にロケットを打ち上げているように見えますね。

(谷門太@dcp)