摘発の吉原ソープ「軍隊ばりの厳しさも店長月収150万円」
「土曜日のお昼に突然警察に踏み込まれて、早番の店員さんは全店舗で全員が逮捕・連行。女のコも重要参考人ということで、連行されて事情聴取を受けたようです」(ソープ嬢・れいなさん/仮名・26歳)
早朝から“行列ができるソープ”として有名な、吉原のオレンジグループ。『11チャンネル』『レタス倶楽部』などグループ8店舗で働くソープ嬢は634人、売上高は’10年4月以降の2年半だけで合計約101億円にもなる、まさに”巨大企業”だ。
警視庁が摘発したのは10月27日(土)で、逮捕容疑は売春防止法違反(売春場所提供・無届け営業)。逮捕されたのは同グループを統括する『サン・ワールドホールディングス』(東京都台東区)の代表、小松崎伸男容疑者(67)ら39人にも及んだ。
プレイ料金は平日50分・1万2千円〜1万5千円と低価格にもかかわらず、質の高い泡姫がいることで『オレンジグループ』は人気を誇っていた。
「お客さんが50分・1万2千円を支払ったときは、私には8千円が入ってくるんです。ネット指名も結構あって指名料を1人あたり1千500円〜2千円もらってたし、お客さんもバンバン来てたから収入はとっても安定してました。女のコを大事にしてくれるし、働きやすくていいお店でしたね」(ソープ嬢・アンナさん/24歳・仮名)
数年前まで『オレンジグループ』で働いていた元店長は当時のことをこう振り返る。
「店長の月給は150万円。さらに、経費として月に現金で30万円が渡されました。週一で休みはありますが、いろいろ心配で休みは取ったことはありませんでした。また、”軍隊のような会社”でマナーもしっかりと叩き込まれました。たとえば、吉原をくわえたばこで歩いたり、店の外でおにぎりや缶コーヒーを飲食していたら、即クビです。吉原内のソープに遊びに行くのもご法度。スカウト行為を疑われるからです」
今回の摘発の背景には何があったのか。ソープ事情に詳しい風俗ライターの伊藤裕作氏は「吉原の慣習を、経営者サイドが知らなかったのではないか」と推測してこう続ける。
「オレンジグループのトップは、もともと有名キャバレーチェーンの経営をしていました。ソープにキャバレーのような時間別料金システムを本格的に導入したのも、このグループが最初といわれています。しかし同時にキャバレーの店舗拡大方法を吉原に持ち込んでしまったことがまずかった。吉原は以前から『グループ店が4店舗以上になると何かが起こる』といわれていました。税務署が入ったり、警察に摘発されたり。だから古くからの経営者は、目立つような大がかりな店舗展開をしなかったんです」