騒ぎすぎなのか

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フジテレビの生中継も入ったアイドルユニット「AKB48」の総選挙について、識者らから様々な苦言が出ている。もちろん、社会を活性化させていると好意的な見方も多いが、その大騒ぎぶりに違和感も覚えるらしい。

有名人の中でも、総選挙に熱狂する向きは多い。

有名人も熱狂ぶりを公言しているが…

AKB好きを公言している漫画家の小林よしのりさん(58)は、2012年6月6日の総選挙後にブログでこう叫んだ。「大島優子が世代交代を阻んだ! これでいいんだ」。柏木由紀さんに気が移っていたものの、もともと好きな優子さんが負けるのではと思い、こちらに大量に票を入れたのだそうだ。

同じ漫画家の倉田真由美さん(40)は、開票イベントを観戦までして好きなAKBを応援した。メンバーが次々に泣き出す姿を見て、「何度ももらい泣きしちゃいました」とサンスポの寄稿に書いている。

一方で、騒ぎを冷ややかに見る人もいる。

サンスポの記事によると、漫画家のやくみつるさん(53)は、熱心に練習に励むAKBメンバー1人1人は好きだとしながらも、「総選挙の"狂騒"ぶりは好きではない」と疑問を呈した。仕事のこともあって、総選挙ではなくプロ野球を見ていたと明かした。

また、キャスターの小倉智昭さん(65)は7日、フジテレビ系「とくダネ!」の中で、「大の大人がこうやって大騒ぎしている」と辛口のコメントをした。総選挙の様子は時々見ていたとしながらも、主にTBS系放送の男子バレーボール対中国戦を見ていたという。

ネット上でも、メンバーの順位を巡って悲喜こもごもの声が出る一方で、「私は裏番組のナビスコカップ見てました」「何がいいのかさっぱりわからない」といった告白も相次いでいる。

AKB商法や過剰な報道にも疑問相次ぐ

総選挙のトピックを巡っても、ツイッターなどで議論になっているようだ。

まずは、千枚以上もCDを買うファンがいたとされる、そのイベントのあり方だ。

CDを買って初めて投票できる手法は「AKB商法」と呼ばれ、今回も疑問の声が続出した。1人でCDを何枚も買って投票券だけ抜き取って捨てるケースもあったとされ、「そんなのAKBのメンバーやCD業者、純粋にAKBが好きな子に失礼だと思う」とツイッターで指摘が出た。一方で、縮小が続いている音楽ソフト市場の現状を挙げて、「AKBは数少ない『頼みの綱』であって、少なくともプレス屋、印刷屋の飯の種になっている」とするツイートもあった。

また、メディアの過剰な取り扱いについて疑問の声も強かった。

CD販売を巡って、「子どもたちの『好き』という気持ちを食い物にするようなビジネスモデルに自らお墨付きを与えている」といった指摘だ。公共放送のNHKがニュースで大きく取り上げたことに違和感を持つ人も多かったらしい。「AKBの総選挙の裏側ってあるけどNHKまでそんなもん放送するなんて日本は終わってる。もっと大事なニュースあるだろ」といったツイートが次々に出ていた。

もっとも、メディアが取り上げる意義を説く声もある。陸上選手の為末大さん(34)は、総選挙のプラス面を強調して、「人は影響し合っているのは間違いないのだけれど、それが実感できない為に自信を失う人が多い。そういう社会の虚しさをAKBは埋めてくれているのではないかと僕は思う」と持論をぶった。