◆超負荷 サッカートレーニングプログラムに必要な3要素とは?
和久井です。
これまで傷害の発生、その起因を様々な角度から見てきました。
今回は、その予防策の一つでもある選手のトレーニングについて考えていきたいと思います。トレーニングは知識レベルでフィットネスレベルの向上や低下にも影響される非常に重要な部分のため、今後細かく見ていきます。
今回もサッカーに関連した傷害や病因などの研究を目的とした、FIFAが設立した医学評価研究センターの調査結果を参考にします。(要約)
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トレーニングプログラムが身体を生理学的に向上させ、究極的にはパフォーマンスを向上させるような適応をもたらすには、過負荷刺激を与えるプログラムでなければならない。身体は過負荷刺激を与えられると、トレーニングに十分に適応し、パフォーマンスが向上するからである。
身体に過負荷をかける唯一の方法は、身体が既に行える状態にある運動強度を超えるレベルの運動を行うことである。また、過負荷刺激は漸増的に加えなければならない。そうしないと向上が鈍り始め、パフォーマンスの向上が止まってしまう。
例えば、ベンチプレスの強化を目指している選手が、当初はバーに60 kgのウェイトを付けて8回を3セット行ったとする。トレーニング回数が増えるにつれて上半身の筋力が強くなるため、60 kgの重さが初回より軽く感じられ、疲労し始める前に挙げられる回数が増える。筋力が向上した場合、最初の60 kgに相当する過負荷と同じ過負荷をかけるには、トレーニングに用いるウェイトを重くする必要がある。筋力を継続的に向上させるため、ウェイトを重くする必要がある。
過負荷を漸増的にかけることは、有酸素運動、無酸素運動ともに、あらゆる形式のフィットネストレーニングに当てはまる。漸増的過負荷は、怪我をした選手や未調整の選手にとって非常に重要な因子でもある。リトレーニングのプロセスは初めのうち非常に速く進行するが、選手を試合レベルの体調まで回復させるためには過負荷をかけ続けなければならない。
そうしないと、トレーニングに対する反応や適応がにぶり、フィットネスの向上が止まるので、試合に向けた調整が不十分な状態となってしまう。過負荷は、トレーニングの頻度、継続時間、強度の組み合わせを操作することにより、適切に加えることができる。
この3要素のいずれかを強化すればフィットネスが向上する。
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上記は、トレーニングに関わったことがある方ならどなたでも理解できることであり、いわゆる「過負荷」と呼ばれているものです。トレーニングプログラムは、回数、強度、継続時間を操作して設定していきます。
トレーニングを考えるにあたって、この「超負荷」だけをテーマに記事を書いたのは理由があります。なぜならトレーニングは非常に重要ですが、やればやるだけ必ずしもフィットネスレベルが向上するわけではないからです。
しかし理解していても、回数、強度、継続時間を無視してトレーニングを続けてしまう選手やチームがたくさん存在するのが事実です。今後、この3要素を細かく見ていきますが、「トレーニング=フィットネス向上」ではなく、あくまでも「トレーニング=負荷(ストレス)」であることを前提に、3要素を操作してプログラムを考えてほしいものです。
これまで傷害の発生、その起因を様々な角度から見てきました。
今回は、その予防策の一つでもある選手のトレーニングについて考えていきたいと思います。トレーニングは知識レベルでフィットネスレベルの向上や低下にも影響される非常に重要な部分のため、今後細かく見ていきます。
今回もサッカーに関連した傷害や病因などの研究を目的とした、FIFAが設立した医学評価研究センターの調査結果を参考にします。(要約)
トレーニングプログラムが身体を生理学的に向上させ、究極的にはパフォーマンスを向上させるような適応をもたらすには、過負荷刺激を与えるプログラムでなければならない。身体は過負荷刺激を与えられると、トレーニングに十分に適応し、パフォーマンスが向上するからである。
身体に過負荷をかける唯一の方法は、身体が既に行える状態にある運動強度を超えるレベルの運動を行うことである。また、過負荷刺激は漸増的に加えなければならない。そうしないと向上が鈍り始め、パフォーマンスの向上が止まってしまう。
例えば、ベンチプレスの強化を目指している選手が、当初はバーに60 kgのウェイトを付けて8回を3セット行ったとする。トレーニング回数が増えるにつれて上半身の筋力が強くなるため、60 kgの重さが初回より軽く感じられ、疲労し始める前に挙げられる回数が増える。筋力が向上した場合、最初の60 kgに相当する過負荷と同じ過負荷をかけるには、トレーニングに用いるウェイトを重くする必要がある。筋力を継続的に向上させるため、ウェイトを重くする必要がある。
過負荷を漸増的にかけることは、有酸素運動、無酸素運動ともに、あらゆる形式のフィットネストレーニングに当てはまる。漸増的過負荷は、怪我をした選手や未調整の選手にとって非常に重要な因子でもある。リトレーニングのプロセスは初めのうち非常に速く進行するが、選手を試合レベルの体調まで回復させるためには過負荷をかけ続けなければならない。
そうしないと、トレーニングに対する反応や適応がにぶり、フィットネスの向上が止まるので、試合に向けた調整が不十分な状態となってしまう。過負荷は、トレーニングの頻度、継続時間、強度の組み合わせを操作することにより、適切に加えることができる。
この3要素のいずれかを強化すればフィットネスが向上する。
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上記は、トレーニングに関わったことがある方ならどなたでも理解できることであり、いわゆる「過負荷」と呼ばれているものです。トレーニングプログラムは、回数、強度、継続時間を操作して設定していきます。
トレーニングを考えるにあたって、この「超負荷」だけをテーマに記事を書いたのは理由があります。なぜならトレーニングは非常に重要ですが、やればやるだけ必ずしもフィットネスレベルが向上するわけではないからです。
しかし理解していても、回数、強度、継続時間を無視してトレーニングを続けてしまう選手やチームがたくさん存在するのが事実です。今後、この3要素を細かく見ていきますが、「トレーニング=フィットネス向上」ではなく、あくまでも「トレーニング=負荷(ストレス)」であることを前提に、3要素を操作してプログラムを考えてほしいものです。
ブラジルでプロ生活スタート。アルビレックス新潟・スロベニア・オーストリア・チェコ・エストニア等欧州リーグを中心にプレー。日本人史上最長の海外キャリアを持つ