韓国国土海洋省は4日、二酸化炭素50億トンあまりを、永久的に貯留できる大規模な海底地層を日本海で発見したと発表した。韓国の二酸化炭素削減に大きく寄与する可能性があることから、期待が集まっている。複数の韓国メディアが報じた。

 二酸化炭素は地球温暖化の原因となる温室効果ガスの一種。今回発表された海底地層は、韓国緑色成長委員会が主管する温室ガス削減に向けたCCS(二酸化炭素回収・貯留)研究開発事業により発見された。

 韓国が注目している海底地層は、同国南東部・蔚山(ウルサン)から東に60―90キロの地点。堆積層の深さは800メートルから3000メートルという。韓国が目標に掲げている年間の二酸化炭素削減量(約3200万トン)を、約150年分貯留できると見られている。

 同省の関係者は、海底地中貯留は二酸化炭素の注入を可能とする圧力と隙間、貯留された二酸化炭素の漏出を防ぐ上部堆積層など、特殊な構造でなければならないとと説明。「隔離された二酸化炭素は、長期的に堆積層の間の水に溶け、カルシウムなどと反応し鉱物へと安定化する」と述べた。

 CCS(二酸化炭素回収・貯留)は、火力発電所や製鉄所から排出される二酸化炭素を回収し、地下に永久貯留させる、温室効果ガス削減のための技術。韓国政府はCCS技術を商用化し、2030年までに約100兆ウォン(約7兆円)の売上と、10万人の雇用創出を期待している。CCS分野の世界市場は、今後20年間で約550兆ウォン(約40兆円)まで拡大するとみられている。(編集担当:新川悠)