オタク万歳!! マンガもアニメも展示されてる文化庁メディア芸術祭受賞作品展は3/4まで 全部タダで超エコ
『第15回文化庁メディア芸術祭受賞作品展』が六本木の国立新美術館で3/4(日)まで開催されている。
文化庁メディア芸術祭にはアート部門の他にマンガ、アニメーション、エンターテインメント部門があり、その中でも、エンターテインメント部門はゲームや携帯アプリ、CM、サービスなどかなり幅広い分野を扱っている。受賞作品の中には、どこかで目にしたことがあるという作品も。アートの展覧会はちょっと苦手という人も楽しめる内容になっている。
この展覧会の入場料は“無料”。メディアアートに興味がある人やマンガやアニメ好きな人はもちろんだが、駅からもさほど遠くないので「メディアアートってどんなものだろう」と軽い気持ちで寄ってみても損はない。
実際どういった展示なのかを紹介しよう。
●マンガ部門
・大賞:土星マンション
今回大賞を受賞したのは『土星マンション』。地球全体が自然保護区域となり、地上に降りることが許されなくなった時代、人類が巨大なリングシステムの中で生活している中で、主人公のミツがリングシステムの窓ふきの仕事をしながら、人々と関わっていくというハートフルな物語だ。
主人公“ミツ”の設定シート、ファンにはたまらない。
“ミツ”が窓ふきの仕事をしている展示もうれしい。
(C)岩岡ヒサエ / IKKICOMIX(小学館)
・優秀賞:あの日からのマンガこちらは優秀賞を受賞した『あの日からのマンガ』のブース。ここにはなぜか、顔はめ看板が……これははめたい。
震災をテーマにした作品であるため、作者のしりあがり寿氏が被災地で撮影した写真も展示されている。
(C)しりあがり寿 / エンターブレイン
●アニメーション部門・大賞:魔法少女まどか☆マギカ
こちらはアニメーション部門大賞の『魔法少女まどか☆マギカ』のブース。
原画……たまらん。
フィギュアがいっぱい。
まどかの巨大フィギュアも。一緒に写真を……と思ってしまうところだが、残念ながら一般の方は撮影禁止。
(C)Magica Quartet / Aniplex・Madoka Partners・MBS
・優秀賞:マイブリッジの糸アニメーション部門優秀賞の『マイブリッジの糸』のブース。作家は『頭山』で一躍有名になった山村浩二氏。
原画で埋め尽くされた展示スペース。美しい。
(C)2011 National Film Board of Canada / NHK / Polygon Pictures
●エンターテインメント部門・大賞:SPACE BALLOON PROJECT
エンターテインメント部門大賞の『SPACE BALLOON PROJECT』のスペース。スマートフォンを特殊なバルーンで成層圏へとフライトさせ、『Twitter』などで募集した“宇宙へ届けたいメッセージ”を表示、その模様を『USTREAM』を通じて世界中へ配信するというプロジェクトに合わせ、会場には大きなバルーンの模型が展示されている。
(C)SAMSUNG ELECTRONICS JAPAN
・新人賞:リズムシ新人賞『リズムシ』は様々なグッズの展示も。
(C)成瀬 つばさ
●アート部門・大賞:Que voz feio(醜い声)
アート部門大賞の『Que voz feio(醜い声)』8分3秒と短い作品だが、不思議な世界に引きこまれていく。ブースの中では巨大なスクリーンで見ることができる。
(C)山本 良浩
・優秀賞:particlesアート部門優秀賞の『particles』。巨大な装置の中を点滅する光源がぐるぐると流れていく。美しくていつまでも見ていたくなる。この作品は会場内で見てほしい。
(C)Daito Manabe (4nchor5 la6 / Rhizomatiks)
●展示のひとつになれる作品・アート部門審査員推薦作品:Electronic instant Camera
アート部門審査員推薦作品の『Electronic instant Camera』はカメラ内部に設置されたマイクロコントローラーによって、撮影対象をキャプチャーし、瞬時にレシートプリンターで感熱紙に印刷するという装置。実際に自分の写真を撮ってもらうことができる。
感熱紙に2枚の写真をプリントし、1枚は会場に展示され、もう1枚は持ち帰れる。自分の写真が会場に展示されることになるので、これはぜひやっておきたい。整理券が配られているので、会場についたら早めにもらっておこう。
(C)Niklas Roy
・優秀賞:アナグラのうた〜消えた博士と残された装置〜さきほど紹介した『Electronic instant Camera』とはまた違う形だが、エンターテインメント部門優秀賞の『アナグラのうた〜消えた博士と残された装置〜』は日本未来科学館の常設展示の様子が会場内の大画面モニターに映し出される。日本科学未来館でこの作品を体験すれば、遠隔で新国立美術館に展示の一つになるのだ。
(C)日本科学未来館
●展示以外の楽しみ展示も楽しいが、オススメなのは期間中に行われる様々なイベント。マンガ部門の受賞者を囲んでの読書会や受賞作のアニメーション上映、アーティストトークショー、ワークショップ、パフォーマンスなど。アーティストに直接会える機会も多々用意されていてかなりオイシイ。これらも全て“無料”なのだ。
ほとんどのイベントは朝一番に本会場で整理券が配布される(別の場所で配布されることもある)。事前にイベントスケジュールをチェックして、参加したい場合は早起きして整理券をゲットしておこう。
イベントスケジュールはこちらで確認できる。
・第15回メディア芸術祭受賞作品展イベントスケジュール[リンク]
http://megei.jp/timetables/list/
●美術館以外の会場
・東京ミッドタウン『d-labo』
展示は新国立美術館だけではない。展示を見終わったら、東京ミッドタウンの『d-labo』へ向かおう。ここにはマンガ部門の受賞作品が全巻そろっている。映像の受賞作品上映中は出入り自由、マンガ読み放題。気になるマンガを全巻読破しよう。こんなシャレオツな雰囲気のマンガ喫茶でまったりするのは至上の幸せ。
・メルセデス・ベンツ コネクション
美術館からミッドタウンへ向かう途中のメルセデス・ベンツのブランド発信基地『メルセデス・ベンツ・コネクション』も要チェック。
ここには『魔法少女まどか☆マギカ』の痛車が展示されている。それもベンツ製! なんと座席に座ることもできるらしい。これは乗っているところを記念撮影するっきゃない。
この痛車を見てここのイギリス人社長も「すばらしい! 全部がこうだといいのに!」と言ったとか言わないとか。
(C)Magica Quartet / Aniplex・Madoka Partners・MBS
・nicofarre(ニコファーレ)話題のスポット『nicofarre(ニコファーレ)』も展示会場になっている。
残りはあと29日(水)だけとなってしまったが、『nicofarre(ニコファーレ)』はエンターテインメント部門で審査員推薦作品に選ばれており、同じく審査員推薦作品の『Kinect for Xbox 360R』で『VANQUISH(ヴァンキッシュ)』などのゲームが遊べる『ゲームセンター』というイベントやシンポジウムが行われる。
(C)ニコニコ動画
(C)SEGA
(C)2010 Microsoft Corporation. Microsoft, Kinect, the Microsoft Game Studios logo, Xbox, Xbox 360, Xbox LIVE, and the Xbox logos are trademarks of the Microsoft group of companies. Powered by Unreal Engine. Unreal(C)Engine, Copyright 1998 –2010, Epic Games, Inc. All rights reserved.
・TOHOシネマズ六本木ヒルズ
また、『TOHOシネマズ六本木ヒルズ』では受賞作品の上映会などが行われている。上映は定員が決まっているので整理券を入手しておこう。
メディア芸術祭の受賞作品は欲しいと思えば手に入れたり、インターネットで見たり、体験できる手が届くアートが多くを占めている。
「これはアートなの? アニメも? マンガも? ゲームも?」と疑問を持つ人もいるかもしれないが、人の心を動かすものならいいじゃないか。そんな風に文化庁がお墨付きをくれたオタク万歳な展覧会。あなたもぷらっと出かけてみてはいかが。・メディア芸術祭公式サイト『文化庁メディア芸術プラザ』[リンク]
http://plaza.bunka.go.jp/festival/
・第15回文化庁メディア芸術祭受賞作品展[リンク]
http://megei.jp/
日時:平成24年2月22日(水)〜3月4日(日)
会場:国立新美術館(六本木)他
入場料:無料