労働力の減少や少子化に悩む韓国では、中国やベトナムなどの出身者を雇用したり結婚相手として迎え入れるケースが増加している。だが、韓国国内では、このような外国人労働者や移民者に対し、多くの人が警戒感を持っていることが明らかになった。

韓国保険社会研究院は、低出産高齢社会における外国人流入の波及効果を分析するため、「外国人移民者に対する国民意識調査」(全国20歳以上の男女1000人を対象)を実施した。

その結果、「外国人・移民者の子どもが増えると韓国人学生と葛藤を引き起すと思うか」との質問に、全体の63.9%が「はい」と答えた。また、全体の8.4%が、「外国人の子どもと韓国人学生との間での葛藤に憂慮している」と答えた。

さらに全体の64.0%が移民者による騒乱やデモの発生を憂慮していると回答し、半数以上の韓国人が、外国人が増えると外国人同士で集団化して暴動やテロを企てるのではないかと考えていることも分かった。

そのほかにも、外国人や移民者が増えることで「韓国人の雇用が難しくなる」(50.3%)、「韓国人の居住問題が悪化する」(36.8%)、「韓国人の政治力弱化」(27.7%)、「韓国の経済成長悪化」(18.8%)などの問題が生じるとし、外国人の増加に否定的な考えを持っている人が多かった。

外国人や移民者に対する出身国別の「排斥程度」は、アフリカが39.4%でもっとも高く、米国、ヨーロッパ、オセアニアは24.5%、アジアは16.5%の順となった。同研究院は、言語や肌の色、文化的な差が、外国人や移民者に対する感情に大きく影響していると分析した。

参照:国民64%、「外国人・移民者の騒擾やデモ憂慮」 - 国民日報
参照:国民64%、「外国人・移民者の騒擾やデモ憂慮」 - The Korea Times

(文:林由美)

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