ハーフナー・マイクのオランダ・エールディビジ・フィテッセへの移籍が正式に発表された。契約は2014年夏までの2年半。推定年棒は7100万円とされている。ハーフナーは1月初旬にチームに合流する予定となっている。

 ハーフナー・マイクの移籍先フィテッセは、エールディビジではここ6年すべて2ケタ順位と低迷しているチーム。2部落ちをギリギリ踏みとどまっているというレベルだ。

 ハーフナー獲得についてはドイツ、フランスのクラブも動いてはいたが、その中では最も低いレベルのリーグへ移籍を決めた。まだ国際試合での経験も少なく実力も未知数と思われている日本人選手としては無難な選択と言えるかもしれない。

 オランダで過去活躍した日本人選手は多い。小野伸二はその筆頭だろう。フェイエノールトは彼中心のチームであった時代が確かにあった。小倉隆史もFWとして活躍したし、本田圭佑はオランダからそのキャリアをスタートさせ、宮市亮が才能を輝かせ始めたのもオランダからだ。

 欧州リーグでは「登竜門」的なリーグであり、比較的守備も甘いため攻撃的選手にとってはアピールするチャンスは多い。過去、ロナウドやパク・チソンなどエールディビジから出世した選手も各国にいる。

 ハーフナー・マイクは今まで海外で成功した日本人とはタイプ的にかなり異なる。もちろんルーツがオランダであるから当然と言えば当然だが、日本人特有のスピードや脚技がウリではなく、注目されているのはその身長だ。かといってフィジカルでDFを圧倒するというプレーをするタイプでもない。言いかえればそのフィジカルを生かし切るプレーができているとはまだ言えないのも事実だ。

 現在、フィテッセで最も多く得点を取っているのはコート・ジボアール代表のウィルフリード・ボニー。そのためハーフナーのチャンスは思ったより早く来るかもしれない。ボニーが1月から2月にかけてアフリカネイションズカップで抜ける可能性が高いからだ。FWは得点が全て。使われたら即得点、それしかない。

 日本代表にとっても彼の成長は強力な武器となる。今までに日本にはいなかった長身FWの成長は確実に日本の攻撃オプションを増やしてくれるはずだ。ハーフナーのオランダでの戦いから目が離せない。(編集担当:田村和彦)