22・2%→13・2%。

 木村拓哉(39)主演ドラマ「南極大陸」(TBS系)の第1回視聴率と第5回視聴率である。“キムタク神話崩壊”などとメディアでも取り上げられているが、とりわけ舌鋒鋭かったのが、かの朝日新聞だ。11月5日夕刊の「放送記者座談会」とした記事がそれである。

「チームを描く群像劇のはずが、木村拓哉の話になってる」「キムタクのPVみたい」「なぜ南極を目指すのか、時代背景の実感がない」とまあ、言いたい放題なのだ。芸能記者が語る。

「芸能欄が多いスポーツ紙はジャニーズから“接待”を受けていますが、朝日新聞ではそれはありません。また、関係の深いテレビ朝日系のドラマではないことも要因でしょう」

 では、なぜここまで視聴率が下がり、コキ下ろされているのだろうか。「言いたいことはいっぱいある」という、本誌連載でもおなじみの今井舞氏が語る。

「決定的なのは話の展開が物凄く遅いこと。『今日は火事がありました』『今日はブリザードが来ました』『今日は山に登りました』っていうブログとかツイッターで済んじゃうような話を薄めて1時間に延ばしているだけ。視聴者は高倉健の『南極物語』(東宝)を知ってるんですよ。結末はわかっているんです。そのうえでの物語展開をしっかり作るべきなのに、それが全然できていない」

 キムタクについても、今井氏はこう分析する。

「彼は今までいろんな役をやってきましたよね。最近では総理大臣やって、ヤマトで宇宙行って、『じゃあ、次は南極行きますか?』っていうふうにしか見えない。シチュエーションにこだわらないとダメみたいな悪循環に陥っている。私はもともとキムタク好きじゃないですが、『HERO』(01年/フジテレビ系)とか好きでした。要は、キャストで見るんじゃなくて、おもしろいから見るっていう当たり前のことを作り手は忘れてるのかと」

「南極大陸」のキャストには今が旬と言っていい役者がズラリと並ぶ。綾瀬はるか、芦田愛菜、香川照之、堺雅人、寺島進‥‥。

「いい役者がいるのに、それぞれの人間ドラマが全然描かれていないから、ドラマに入り込めない。綾瀬はるかにいたっては、彼女を入れたいがために作られたドラマに必要ない役柄。お参りして、お祈りしてシクシク泣くだけ」(今井氏)

 4月に「マルモのおきて」(フジ系)で大ブレイクした芦田愛菜に関しては、こんな話もある。

「ドラマのクランクインは今年2月。その時はまだブレイク前だったので、出番は少なめでしたが、芦田のブレイク後は、わざわざシーンを追加撮影して終盤に順次織り込んでいくようです。キムタク以外の俳優陣や登場する犬などの熱演ぶりは好評ですので、後半は視聴率を盛り返すかもしれません」(前出・芸能記者)

 ウラを返せば、キムタクの演技は犬にも及ばないということか。