とにかく前半はかったるい最近のドルトムントだった。

昨シーズンまでのドルトムントは、守備から攻撃への全員の切り替えが物凄く速く、相手が守備的に来ていても組織が整う前に攻め切れていたのだが、今シーズンはまずレヴァンドフスキが全くポスト役として機能できておらず、香川にはビッチリマークがついているので縦にボールが入れられず、中盤以降がツータッチ以上しながら何とかサイドまでボールを持って行って苦し紛れのクロスを上げては跳ね返されるというパターンがずっと続いている。

香川は悪いチーム状態を打開しようとして、前線で非常に細かく動き出してマークを外そうとするのだが、その動きが味方と全く共有できていないので、単に味方のパスミスを誘うだけの独りよがりなプレイになってしまって実効性が伴わない。

そんな悪循環を断ち切ったのは、やはり若きエースの一発だった。

63分に、中央で潰れたレヴァンドフスキからのパスをもらった香川は、ターンでボールを引っ掛けて前を向くと、飛び出してきたGKを冷静に見てループ気味のシュートで流しこむ、韓国戦を思い出させるようなゴールで今シーズン初得点を決めたのだ。

これで一気にドルトムントの攻撃がスピードアップし、サイドから畳み掛ける攻撃が繰り出させるようになったのだが・・・やはりエンジンがかかるまでに時間がかかりすぎたのか良い時間帯は数分で消えてしまい、82分にアクシデントなのかCBのフンメルスをサンタナに変えたことで一気に守備がバタバタ。レヴァンドフスキも守備では一応効いていたのか(笑)、ペリシッチがトップになってからプレスがかけられなくなってしまう。

87分にセットプレイから同点ヘッドを決められると、最後は右からのクロスをコナンがワントラップでスボティッチを交わし、シュートを流し込まれてドルトムントは痛い逆転負けを喫してしまった。

ドルトムントはこれで6戦して既に3敗。バイエルンが絶好調だけに、リーグの方は既に白旗が出かかった状態になってしまった。しかもここまでドルトムントを一人で支えていたと言っても良いフンメルスが怪我となると、ますますドルトムントに逆風が吹くことになってしまう。

そのためには、攻撃陣が早い時間帯に点を取ってチームを楽にすることが求められるのだが・・・香川のゴール後は少し良い時間があっただけに、そのイメージをもっと長く維持できるようになればいいのだが。