中国のブログサイト「博客中国」で、中国人ブロガー「張イー武」さんが、「今の若者は人間関係恐怖症」というタイトルで文章を書いている。以下ブログの主要部分の翻訳。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 最近、若者の多くが人付き合いを恐れ、コミュニケーション不全に陥っているようだ。こうした「オタク化」現象は、ネット上のコミュニティにばかり依存し現実社会との交流が少なくなっていることが原因だろう。

 とはいえ実生活を送る上では、学校や職場、家庭などで人とコミュニケーションを取ることは不可欠。人付き合いをどうするかという関心が高まっており、最近は「職場の人間関係術」みたいな本が流行したり、スパイ映画「潜伏」が人付き合いの方法を学ぶテキストとして見られたりしている。

 80年代生まれ、90年代生まれの若者たちは、みんな一人っ子で兄弟との関わりがない。そして中国の小中学校は学業に対するプレッシャーが大きく、勉強さえしていればそれでいいという面がある。勉強以外のコミニュケーション能力などは、特にどうでも良い。だが、こうした教育方針にもいくらか問題があるのではないかとも思う。

 また、子どもたちを教育する際に欧米の価値観と中国の価値観を分けて教育することも必要だ。中国では、両親は子どもたちの面倒をしっかりと見てやる一方、子どもは親に対して「孝行」をしなくてはいけない。欧米の価値観では、両親が子どもの面倒を見る程度も低い一方、子どもが親孝行をする程度も中国ほど高くない。

 だが、今の若者は両親に家まで買ってもらうのが当たり前になっているのに、親孝行をしろと言われると欧米の価値観を持ち出して、恩返しをしようとしない。自分たちの都合に合わせて中国の価値観と欧米の価値観を使い分けているのだ。(引用おわり)

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 「改革開放政策」と「一人っ子政策」が本格的に始まった80年代以降に生まれた中国の若者たちは、上の世代との価値観の断絶が大きく、日本の「団塊の世代」を彷彿させる。

 急速な近代化の結果、伝統的な価値観も揺らいでおり、若者たちが「自分たちの都合に合わせて中国と欧米の2つの価値観を使い分ける」というのは、現代の中国らしい現象と言えるだろう。(編集担当:西谷格)



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