アルビレックス新潟の「無料チケット」は成功だったのか
アルビレックス新潟の観客動員数に陰りが見え始めているというニュースを見た。アルビレックス新潟といえば浦和レッズと並んでJリーグにおける圧倒的な集客力が売りでもあったクラブだ。アルビレックス新潟に一体何が…? 少し気になっていたので、今回はいつもと違ってまじめに調べてみたデータなどを紹介したいと思います。
朝日新聞にこれに関する記事があったのでそれを元に色々と肉付けして無料チケットの始まりや経緯、アルビレックス新潟の観客動員数の推移などをざっくりまとめてみました。アルビレックス新潟サポでない方でも自分のクラブについて考える良いきっかけになれば幸いです。
「サッカー不毛の地に人気を根付かせるためには、まず試合を見てもらわなければならない」
この頃は無料チケットのばらまきっぷりは本当にすごかったらしく、ボクは以前NSGと仕事してたことがあるんですが、学生なんかにも結構チケット回っていたと聞いたことがあります。後援すらしていない会社にもチケットが回ってきたという話も。
なお参考までに現在のアルビレックス新潟の席種料金表はこちら。
≫ 料金表・席割図|アルビレックス新潟 公式サイト
出典 ≫ 観客動員数
もちろん、震災の影響なども考えられますがガンバ大阪やサンフレッチェ広島など動員を昨年比で増やしているクラブもあり、動員減の理由をすべて「震災の影響もあるし…」と片付けてしまうのはナンセンスか。
出典 ≫ 2011年Jリーグ 観客動員データ 〜 J1(序盤戦)
アルビレックス新潟の「初めて観戦に来た人」の割合は、J1では浦和レッズ、ヴィッセル神戸に次いで3番目に低い1.7%。これはつまり無料チケットの本来の目的であるはずの「新規のファン開拓」につながっていないということでもあります。
また、余談かもしれませんがアルビレックス新潟のファンの自由に使えるお小遣い(1ヶ月)は29,600円で山形(28,600円)に次いで2番目に低かったり、新潟はJ1リーグ全クラブのなかで50歳以上観客の割合が35%で一番高かったりします。この辺のデータと無料チケットの関係は正確にはよくわかりません。池田社長が当時、自治体を通じて無料チケットを配ったということで、結果的におじいちゃんおばあちゃん達まで、町内ぐるみで観に行ったりするようになったという見方はできるかもしれませんが…。
J2ギラヴァンツ北九州が昨季、無料入場券廃止したというニュースもありました。「無料券は街にプロスポーツを根付かせない」と、そんなクラブ関係者のコメントが掲載されていたと記憶。
まずは見てもらって、その魅力を知ってもらえば新たなお客さんになってもらえるという考え方と、お金を払って試合を見てもらってこそ意味があるという考え方があります。どちらが正しいでも、間違ってるでもない話かもしれない。ただ、無料チケットで成功をおさめたと言われてきたアルビレックス新潟がここへ来て2度目の曲がり角に来ているということを知って、アルビレックス新潟の今後やJリーグのクラブ経営などについて興味をもってもらえればと思います。
朝日新聞にこれに関する記事があったのでそれを元に色々と肉付けして無料チケットの始まりや経緯、アルビレックス新潟の観客動員数の推移などをざっくりまとめてみました。アルビレックス新潟サポでない方でも自分のクラブについて考える良いきっかけになれば幸いです。
アルビレックス新潟の「無料チケット」とは
まず試合を見てもらわなければならない
2001年、当時の社長だった池田弘氏によってアルビレックス新潟は無料券の配布を本格的に開始します。町内会や小学校、中学校などを対象に希望者を募集。実際に試合を見てもらうことが、その後の有料チケットの売り上げにつながるという狙いだったようで、当時アルビレックス新潟の池田社長はこんな発言もしています。「サッカー不毛の地に人気を根付かせるためには、まず試合を見てもらわなければならない」
入場者の約9割が無料チケットの年も
この無料チケット作戦は一旦成功をおさめます。俄には信じられないかもしれませんが、無料チケットを始めた2001年には入場者の約9割が無料チケットによるものでした。しかし、その割合は段々と減っていき、有料チケットによる観戦客の割合は2003年には48%、2004年には73%にまでなった。そしてこの時期、クラブは無料チケットの廃止を決めます。ある一定の成功をおさめたと判断したからです。無料チケットの復活、財務体質の悪化
2003年にJ1昇格後、順調に観客動員数増を続けてきたアルビレックス新潟でしたが、J1慣れによる影響か空席が目立ち始め2006年から再度無料チケット配布を始めます。しかし、この時期の無料チケットはあまり良い効果を発揮できず、結果的にクラブの財務体質も悪化。2007年と2008年には当期純損益で赤字にもなってしまいました。こちらの記事が詳細でとてもおもしろいので、この時期のことについて知りたい方は以下からどうぞ。≫ Jリーグ経営難3 アルビレックス新潟 | スポーツマーケティング探求記 | スポーツナビ+
この頃は無料チケットのばらまきっぷりは本当にすごかったらしく、ボクは以前NSGと仕事してたことがあるんですが、学生なんかにも結構チケット回っていたと聞いたことがあります。後援すらしていない会社にもチケットが回ってきたという話も。
なお参考までに現在のアルビレックス新潟の席種料金表はこちら。
≫ 料金表・席割図|アルビレックス新潟 公式サイト
アルビレックス新潟の観客動員数
2006年以降、新潟の観客動員数は減り続けている
J2で優勝した2003年の平均入場者数は30,339人でJ1・J2通してトップ。2004年は37,689人、2005年は40,114人と3年連続でJリーグ首位を堅守。しかし、2006年以降は減り続け昨年は30,542人にまで落ちてしまっています。減ってはいるものの2011年Jリーグでは現在2位
4年連続で観客動員数が減っているとはいえ、アルビレックス新潟はJリーグ全体で見ると2位。出典 ≫ 観客動員数
今シーズンのホームゲーム動員はどうか
今シーズンの試合別で見てみると、開幕以降右肩下がりというのがわかります。そして1試合平均観客動員数は27,945人。昨シーズンの1試合平均が30,542人なので、平均を大きく下回っています。もちろん、震災の影響なども考えられますがガンバ大阪やサンフレッチェ広島など動員を昨年比で増やしているクラブもあり、動員減の理由をすべて「震災の影響もあるし…」と片付けてしまうのはナンセンスか。
出典 ≫ 2011年Jリーグ 観客動員データ 〜 J1(序盤戦)
「無料チケット」は新規客開拓に繋がっていない
初めて観戦に来た人の割合が1.7%
最後にもう一度「無料チケット」に話を戻します。Jリーグがちょっと前に発表した観戦者調査報告に興味深いデータがあります。アルビレックス新潟の「初めて観戦に来た人」の割合は、J1では浦和レッズ、ヴィッセル神戸に次いで3番目に低い1.7%。これはつまり無料チケットの本来の目的であるはずの「新規のファン開拓」につながっていないということでもあります。
また、余談かもしれませんがアルビレックス新潟のファンの自由に使えるお小遣い(1ヶ月)は29,600円で山形(28,600円)に次いで2番目に低かったり、新潟はJ1リーグ全クラブのなかで50歳以上観客の割合が35%で一番高かったりします。この辺のデータと無料チケットの関係は正確にはよくわかりません。池田社長が当時、自治体を通じて無料チケットを配ったということで、結果的におじいちゃんおばあちゃん達まで、町内ぐるみで観に行ったりするようになったという見方はできるかもしれませんが…。
≫ 2010年:観戦者調査報告(PDFファイル)
J2ギラヴァンツ北九州が昨季、無料入場券廃止したというニュースもありました。「無料券は街にプロスポーツを根付かせない」と、そんなクラブ関係者のコメントが掲載されていたと記憶。
まずは見てもらって、その魅力を知ってもらえば新たなお客さんになってもらえるという考え方と、お金を払って試合を見てもらってこそ意味があるという考え方があります。どちらが正しいでも、間違ってるでもない話かもしれない。ただ、無料チケットで成功をおさめたと言われてきたアルビレックス新潟がここへ来て2度目の曲がり角に来ているということを知って、アルビレックス新潟の今後やJリーグのクラブ経営などについて興味をもってもらえればと思います。
≫ Jリーグのクラブ経営についてちょっと詳しくなれるかもしれないリンク集
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