ウルグアイに3−2

準決勝の第1戦はウルグアイ対オランダ。ウルグアイの堅守を、オランダの攻撃陣がどう崩すのか見どころだったが、ファン・ブロンクホルストの先制点はそれを象徴するようなものだった。18分までオランダは攻めあぐねているような状態だったが、その雰囲気を切り裂くようなロングシュートをファン・ブロンクホルストが放ち、ゴールの角に当たる。ペナルティエリア近辺での戦いで優勢になれないオランダの苦肉の策とも言えるシュートだが、GKが絶対に取れないところへの見事なゴールは、この大会で引退を表明している主将のW杯初ゴールでもあった。98年の初出場から12年目のものだ。

しかし、早々の失点でもウルグアイはめげることなく、守り、攻める。そして41分にその成果が現れる。中盤でボールをキープしたことから、フォルランが真ん中でミドルシュートを放つ。GKの手をかすめ、ど真ん中のネットを揺らした。ウルグアイのしぶとさ、巧さを象徴するゴールだ。

こうした状況を打破するために、オランダは後半開始から動いた。デ・ゼーウに代えて、ファン・デル・ファールトを投入し、攻撃的な布陣に。これが見事にはまり、オランダが試合の主導権を握ると、70分にスナイデルがゴールを奪う。ファン・ペルシーのポジションが若干怪しくもあったが、スナイデルのシュートはDFにあたり、そのままゴールを割った。これでまたオランダが先手を取った。さらに、その3分後にはカイトが見事なクロスを出すと、ロッベンがそれを頭で隅に押し込み、3点目。試合を決定づける得点だった。

オランダはさらに得点を取るチャンスがあったが、なぜか最後の決めが甘く、ゴールにならない。こうした態度がウルグアイを奮い立たせる。追加タイムは3分だったが、その2分にFKから右の外側にいたM・ペレイラにボールを出し、それをペレイラ持ち込んでシュート。GKも触れることなく、ゴール。1点差となった。時間はないが、ウルグアイの必死さに時間はさらに追加され、もしかして同点かもという雰囲気が盛り上がる。しかし、その攻撃も時すでに遅く、追加時間6分ほどで試合は終わった。
オランダは、「攻撃は最大の防御」を実践し、1978年以来の決勝進出を決めた。

ウルグアイ 2−3 オランダ
[得点] 18分:ファン・ブロンクホルスト、41分:フォルラン(ウ)、70分:スナイデル、73分:ロッベン、90+2分:M・ペレイラ(ウ)

ウルグアイ:ムスレラ、M・ペレイラ、ゴディン、ビクトリーノ、カセレス、カルガノ、ペレス、アレバ ロ・リオス、A・ペレイラ(78分:アブレウ)、カバーニ、フォルラン(84分:S・フェルナンデス)


オランダ:ステケレンブルク、ブーラルーズ、ハイティンハ、マタイセン、ファン・ブロンクホルスト、ファン・ボメル、デ・ゼーウ(46分:ファン・デル・ファールト)、スナイデル、 カイト、ファン・ペルシー、ロッベン(89分:エリア)


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