2010南アフリカW杯 日本vsカメルーン ベンクエンサ主審評:3

■主審:Olegario BENQUERENCA
 採点:3

 カメルーンはかなり苛立ちを募らせていた。
 ガツンとあたりにいっても日本人の俊敏性にかわされて、体にかかり影響してしまう。そういったプレーを、(フランス2部などの)リーグによっては流してくれることもあるがW杯ではファウルとなる。それは、カメルーンのファウル数29という多さが物語っている。
 日本もファウルは20と多かった。ただ、それは身体能力の差を埋めるファウルがほとんどで、選手たちは判定自体にストレスは感じていないようだ。それは当然だろう。
 JリーグはFIFAの基準でレフェリングしている。今日の試合でJリーグと唯一違かったのは、本田や松井に代表されるように、ボールを持った選手が簡単に倒れずプレーしたということだろう。

 いつものようにプレーすれば、いつものように判定してもらえる。セルフジャッジで苛立つことが多い日本選手だけに、この状況はかなり優位に働いたはずだ。

 逆に波に乗れないとリズムが悪くなるアフリカ勢・カメルーンは、自滅のようなファウルで時間が経つごとにリズムを悪くさせていった。

 では、そんなベンクエレンサ主審のレフェリングを分析してみたい。


 30秒、カメルーンのホールディング。3分、松井のホールディング。5分、本田のチャージはボールに対するプレーということで流す。

 今大会の基準とおり、ボールに対するコンタクトは流すが、影響を受けたものはとる。また、ホールディング、空中戦のファウルも腕を使えばしっかりとるし、体に競りにいったものもとる。

 24分、競り合いでの中澤へのファウルをロールバックしてとる。素晴らしい判定だ。25分、本田に‘ファウルしにいった’エトーに注意をあたえ、荒れるのをおさえる。

 47分、大久保の突破をたまらずカメルーンがファウルでとめる。判定はFK。確かにPA外でかかっている。よくみていた。
 72分、岡崎をひっかけたということでNKOULOUに警告。ファウルというのは影響したということだろうが、カードは厳しい感がある。

 91分の阿部への警告は本人も理解していたように妥当だ。

 カメルーンからはファウルをとり過ぎだという声が聞こえてきそうだし、微妙なシーンがなかったとは言わないが、今大会の基準通りのレフェリングだった。1対0という結果に微妙なシーンは影響していない。

 基準を理解できなかったことが影響したとは思うが、それはレフェリーのせいではない。

 

 それよりも。全レフェリーが同じような基準で笛を吹く。W杯に選ばれるレフェリー、おそるべし。


〜採点基準〜
5:彼なしに試合はありえなかった
4:普通に試合を終わらせた
3:ミスにも見えるシーンがあったが、試合に影響はなかった
2:試合に影響はなかったかもしれないが、カード・得点に対する微妙なシーンがあった
1:ミスから試合の流れを変えてしまった
0:試合を壊してしまった

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