歴史に残る死闘となった第2回WBC決勝＝日本−韓国戦。延長10回表、イチローはこれまでの不振を帳消しにする2点タイムリー安打を放ち、以後語り継がれていくであろう日本スポーツ史に残る名場面を演出した。

だが、準優勝となった韓国では、そのイチローと対戦した林昌勇（イム・チャンヨン／ヤクルト）に対し、厳しい非難が寄せられているという。中でも三星ライオンズ・金応竜社長による、鈍い球を投げて“わざと打たせた”という驚くべき発言が波紋をよんでいる。

これは、韓国三大紙の一つ「中央日報」が27日に報じたもので、同紙によると、金応竜社長は、韓国の戦いを「皆、非常によくやったが決勝戦は残念だった。試合の流れ上、我々が勝つこともできた」としながらも、「ところで林昌勇がイチローに投げた球はわざと正面勝負したものだ」と指摘。決勝戦まで全試合無失点の好投を続け、韓国を決勝の舞台へと導いた功労者の一人を真っ向から非難したのだった。

現在は、侍ジャパンの主力・青木宣親とともにヤクルトに合流、日本プロ野球の開幕戦に向け、休む間もなく最後の調整に入っている林昌勇だが、24日の試合直後には「サインを見誤った。失投だった」と弁明。試合翌日には、金監督がキャッチャーのカン・ミンホを含む三者面談を行い、金監督のサインが林昌勇へ正確に伝わっていなかったということで意見が一致しており、金監督は「あまり林昌勇を責めないでやってほしい」と国民に理解を求めていた。

そんな矢先に出た金応竜社長の発言。韓国全土では、WBCを終えて尚、この問題に対する賛否両論が噴出することになりそうだ。