インタビュー:島崎和歌子「ちゃんと歌手なんだな、という部分を見せられると」
1989年5月に発表したシングル「弱っちゃうんだ」から、昨年デビュー20周年を迎えた島崎和歌子(35)。1月5日からは自身が主演を務めるTBS系ドラマ「オーバー30」(毎週月曜から金曜、13時半より放送中)が放送を開始。28日にはドラマ主題歌であり、前作「HのあとにIがある」より実に16年振りとなるニューシングル「Happy Life〜明日に向かって〜」を発売した。
――去年5月にデビュー20周年を記念して、ベストアルバム「島崎和歌子 20th anniversary BOX」を発売されましたよね。
島崎和歌子(以降、島崎):そうなんです。おかげ様で無事20周年を迎えることが出来たので、何か記念になるものをと思って。テレビって、流れて終わっちゃうじゃないですか。でも歌って、映像とか一つ一つ作品に残るので。と言ってもほとんど、みんな知らない歌ばっかりで、自分でも「久々にこの曲聴いたよ」というのもありましたけど(笑)。でも、一つの形として残しておけたらいいなと思って、すごく無理言って、ユニバーサルさんにお願いして(笑)。――“アイドルイベントの聖地”池袋サンシャイン噴水広場でイベントもやられましたね。
島崎:すごく久し振りに歌って。新曲のイベントはありますけど、改めてデビュー曲を歌うというのは無かったので、「本当にお客さん来てくれるのかな?」と思ったんですよね。それで16年ぶりにデビュー当時の歌などを3曲歌って、ファンの方はすごく大人しい方ばかりなのね。普通だったら「ワァーッ!」とか、登場した時に「L・O・V・E」じゃないですけど。一応マスコミの方も来て下さったんですけど、マスコミの方が気を遣って盛り上げてくれたり(笑)。なんかシーンとしちゃって、行儀良く観てくれて。ある意味ありがたいですけど、ちょっとはねぇ。「みんな、元気ですかー?」って言っても、「…」みたいな(笑)。――20年経って、皆さんいい大人になられたんですかね?
島崎:いい言い方ですね(笑)。はしゃげない、みたいな。ボックスだから、7,800円って高いじゃないですか。それでも買って頂いて。20年って長い歴史なので、自分でもすごく記念なんですよね。あまりベテランと言われるのも嫌ですけど、そういう風に一つずつ残していけたものを、一つの誇りにする自信は新しく付きましたね。――こうして話している声と、歌声はまた違うんですね。
島崎:全然違うでしょ。本当に歌うと高い声が出ちゃうんですよねぇー(笑)。普段割と低いんですけど、歌になるとこの低さが出なくて。だから、たまに勘違いされて「可愛い子ぶってんじゃない?」って言われる時があるんですよ。歌うと急に、ああいうちょっと可愛い声が出ちゃう。――アイドルだなぁって思いました。
島崎:はい。出ちゃうんですよ、声が(笑)。――それでも、さすがに20年も経てば、デビュー当時と今とで歌声に変化はありますよね?
島崎:変化はありますね。訓練とかレッスンの成果もあると思うんですけど、もう自分の声の出し方が分かってきますね。デビュー当時ももちろんレッスンしてるんですけど、ちょっとつかめてないんでしょうかね。前は音域は出るんですけど、出し切れてないとか、歌い方が分からなかったり。でも、今こうやって年数を重ねていくと分かりますね。――今回は、レコーディング前に練習はしたんですか?
島崎:久し振りにボイトレに行きましたね。すごく緊張しちゃって(笑)、でも懐かしかったですね。ちゃんとしたレコーディングもすごく久し振りでしょ。いやぁー、ディレクターさんに「怖がらなくていいですよ」って言われて、恥ずかしぃ〜(笑)。――普段は、あまり緊張することは無いですか?
島崎:緊張はあるんですけどね、歌ってまた特別なものがありますよね。何でしょうね?例えば歌番組とかでも、ベテランの歌手の方が「常に緊張する」って仰ってるじゃないですか。「あんな方でも緊張するんだ!?」って。――普段のお仕事の現場とは、またちょっと違う緊張感が。
島崎:違った緊張感ですね。3分間の世界を歌い上げるのは、何とも言えない緊張感が。多分それが無くなったら終わりだと思うんですけど、ありますね。