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シリーズ累計500万部突破の『自分の説明書』シリーズ
シリーズ累計500万部突破の
『自分の説明書』シリーズ
『B型自分の説明書』発売から1年でシリーズ累計500万部(シリーズ4作累計・2008年10月28日現在)を突破した、大ベストセラー「自分の説明書シリーズ」。大型書店なら棚一面を埋め尽くすこの本、なぜ、こんなに売れているのだろうか? そもそも、これが世に出る背景には、日本の出版業界が抱える大きな問題点とそれをクリアする画期的なシステムがあった…。

今回からスタートするこの物語「わたしが本を出した理由」は、大学の演劇部時代の仲良し3人組、聡美(29)・タケシ(28)・あおい(26)が、日々の生活の中のふとしたきっかけから、あることに気付き、挑戦していく姿を描いた、サクセスストーリーです。



「ブログのネタが尽きて、もうブログが更新できないんだよぉ…」
と嘆くのは学生時代、どんなテーマも巧みに脚本にしてしまうことで、演劇部内でも一目置かれていたタケシ(28)。5年前、大学を卒業の頃、いち早くブログにも着目し、先輩の聡美(29)や後輩のあおい(26)に紹介したことで、卒業後もこうやってつながっているのだ。

「ある調査によると、ブログの更新が滞る理由の一番が、ネタ切れだって言いますからねぇ…」
同情する後輩のあおいも、演劇部時代は衣装や小道具全般を担当していて、運営中のファッションブログが人気急上昇中。
「ブログって永遠に続くと思うと、モチベーションや目的意識の維持が難しいんだよねぇ。日々、どんどん忙しくなるしねぇ」
タケシのさらなる一言で、ネガティブな空気が蔓延しそうになると、聡美先輩がいつものように、暗い空気をぶった斬る。

「二人とも何、暗い話してるのよ!? 奇跡のシナリオライターと伝説の小道具師の名が泣くわよ!」
スッキリしない後輩二人を奮い立たせるのは、いつものパターンだ。
「そういえば、聡美先輩のフォトエッセイブログ、好評ですよね! 更新も順調のようだし、その秘訣ってあるんですか?」
聡美の顔を覗き込む二人。

聡美
後輩思いの聡美(29)
「実はね、これなのよ… ジャーン!!
私、ブログを本にしましたー☆
と、おもむろに取り出した一冊の本。
確かに、聡美のブログのタイトルが書名だし、イメージ通りの装丁だ。そして、なにより…著者名が「○○ 聡美」…聡美の本名。
間違いない。この本は、聡美のブログが書籍化されたものだ。

「聡美先輩、やりますね!! でも、あのブログが本になるなんて…。出版社の知り合いなんていたんですか?」
相変わらず失礼なことを言うタケシに、余裕をもって聡美がこたえる。

「ううん。全然〜。出版社の知り合いどころか、出版しようなんて思ってもみなかったわ」
「じゃあ、なぜ…?」
ますます身を乗り出すタケシとあおい。
「まぁまぁ、落ち着いて。
 『私が本を出した理由』を説明する前に、日本の出版事情について、話すわね。

 そもそも日本で、1年間に本ってどのぐらい出ていると思う? 実に、80,595点(出版年鑑2008)! だいたい時間にして7分に1冊、新しい本が発行されている計算になるのよ。しかも、年々、増え続けていく傾向にあるようね」
「へぇ〜、そんなに膨大なんですね。これじゃ、僕たちが知らないうちに消えていく本だらけですね」
タケシも週に3冊は読みあさる、かなりの読書家だが、読者の触れることさえない書籍の多さに、ため息が出てしまう。