10日に行われたUEFAカップ準々決勝2ndレグ、ヘタフェ対バイエルン・ミュンヘン戦は延長戦の末3-3の引き分け、2試合合計4-4となり、アウェイゴールの差でヘタフェがバイエルンの前に涙を飲んだ。

「ベッケンバウアーは、彼の人生を通してマドリー州の南にあるヘタフェというクラブを忘れることは決してないだろう」。

 準々決勝敗退から一夜明けた11日、ヘタフェのアンヘル・トーレス会長がそう語った。準々決勝の組み合わせ抽選時に、バイエルンの監査役長であるフランツ・ベッケンバウアー氏が、ヘタフェがどこの町にあるか知らず、監督がミカエル・ラウドルップであることも初めて知って驚いていたという経緯から出たコメントだ。

 トーレス会長のコメント通り、ヘタフェはUEFAカップ優勝候補本命と言われるバイエルンを相手に互角の戦いを演じた。敵地での1stレグは1-1の引き分け。2ndレグは試合開始早々5分に攻撃の要であるデ・ラ・レッドが一発退場となり、115分間を一人少ない10人での戦いを強いられることになった。それでもバイエルンのGKカーンから3点を奪い、歴史的勝利まであともう一歩というところまでいった。

 国際舞台で豊富な経験を持つカーンにして、「ヨーロッパのカップ戦で140試合に出場してきたが、今夜のことは信じられないし、忘れられない試合となった。私のキャリアの中でも経験したことのない夜となった」と語っている。

 アウェイゴールの差で敗れたヘタフェだが、試合そのものは2戦2分。強豪相手に堂々の戦いぶりは多くの人に感動を与え、記憶に残る試合となった。ベッケンバウアー氏もその一人であることは間違いないだろう。

(スペイン通信)

ルカ・トニルカ・トニ(Luca Toni)


生年月日:1977/05/26
所属   :バイエルン
国籍   :イタリア
ポジション:FW