日本ではまずお目にかかれないのですが、世界の至る所にまだ「奴隷」が存在しており、奴隷商人や奴隷制度などもちゃんとあるとのこと。それどころか、人類の歴史上、実は現在が最も奴隷の数が多い時代だそうです。

中でもハイチは非常に貧しい国で、9歳の少女が50ドル(約4900円)で奴隷として売られているとのことです。

詳細は以下から。
北米500局以上で放送されている非営利の独立系ニュース番組「Democracy Now!」の運営するサイト「NPR (National Public Radio)」によると、これは作家であるベンジャミン・スキナー氏が実際に体験したもので、2005年の秋にハイチを訪れたときのことで、donga.comではこの際のことが以下のように書いてあります。

「100ドル払ってくださいよ」「50ドルでどうだ」

「わかりました…。ところで、仕事だけさせるんですか。そのほか(性行為)は」

「両方できるのか」

「もちろんですとも。13才がいますよ。12才、11才も手に入ります。(米国に)養子に出すよう書類も作れますよ」

また、NPRの記事によると、1850年代には奴隷は一人あたり3万ドルから4万ドルほどしたそうです。ハイチにおいてこの奴隷一人あたりを購入するのにかかる50ドルというのがどれぐらいの価値を持つかというと、「ハイチ里親運動」のページによれば、以下のようになっています。

 国民1人あたりのGNPは、約330ドル(およそ4万円)となっています。日本の100分の1の年収なのです。このように少ない収入では毎日の生活で精一杯であり、教育に使えるお金などない家庭が大部分です。

 しかし、日本円で約1万円のお金があれば、ハイチの子供1人が1年間教育を受けられるのです。日本の1万円がハイチでは数倍、数十倍の価値を持つのです。

つまり、50ドルというのはハイチではかなりの金銭的価値を持っているとのこと。ただ、ハイチは外務省の運営する「海外安全ホームページ」によれば、「渡航の延期をお勧めします。」というレベルなのでかなり危険であり、実際問題として50ドルどころでは済まないのが実情のようです。

なお、奴隷から解放するためにお金を払って「買い戻し」を行い、親元や村に返してもまた再度奴隷として売られたり、さらにはこの買い戻しに使われたお金が内戦などの武器購入に充てられたりして、結局のところ奴隷制が続く原因となっていると国連児童基金(ユニセフ)は指摘しており、奴隷の解放を買うという行為は人道的にはしたくなるものの、してはいけないことだそうです。

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