写真・ロイター/アフロ

 就任後、親善試合は無敗でアジア杯に臨んだサッカー日本代表森保一監督(50)だったが、「ガチンコ試合」のカタール戦で足をすくわれた。

「アジア杯は、大会を通じて監督の無策ぶりが露呈した大会だった。とくに選手交代に、策がまったく感じられなかった。リズムが悪く、カタールのプレッシングに苦しんだ前半だっただけに、手を打つと思われた。

 ところが、後半スタートも、試合開始時のスタメンのまま。メディア席から『本当かよ』と、驚きの声が多く上がったほど」(現地で取材したサッカーライター)

 今大会、森保監督が強調した言葉がある。それは、「(登録23人の)選手全員で戦う総力戦」だった。ところが決勝までの6試合で、交代枠を使った時間は、ほとんどが70分過ぎ(試合時間は前後半で90分)。3人ある交代枠を、使い切らない試合すらあった。

 これに疑問を呈したのが、今大会10番を背負ったMFの乾貴士。「なぜ交代枠を残すのか?」と、直々に説明を求めたほどだったという。

「とにかく、選手交代に踏み切る時間帯が遅すぎた。カタール戦では、FWの武藤嘉紀が62分に投入されて、リズムが格段によくなり、1点を返した。もっと早く投入していたら、展開も変わっていたはず。

 最後のカードとして乾が投入されたのは、89分。アディショナルタイムを含めても5、6分しかなかった。それでなくとも、2点リードしているカタールはベタ引きで、スペースはない。そんな時間帯にドリブラーの乾が投入されても……。乾が気の毒でならなかった」(専門誌記者)

 対するカタールのサンチェス監督は、バルセロナの育成部門で指導経験があるだけに、2点リードした後半はカウンターに徹し、交代枠も怪我人や疲労した選手のために使うなど、百戦錬磨の采配だった。

 一方で、現地の報道陣からも、森保監督に不満の声が上がっていた。

「会見で話すことといえば、『厳しい試合になる』『最善の準備をする』『選手には持てる力をすべて出してもらいたい』と、いつも同じセリフ。まったく見出しにならないし、どういうサッカーを目指しているのかわからない。

 また、決勝のスタメン11人はすべて海外組。試合前の会見では、吉田麻也らは海外メディアからの質問に、直接英語で答えるなど、インターナショナル化が進んでいる。

 そんななか森保監督は、英語が理解できず、ひとり『蚊帳の外』。居心地が悪そうにしている姿がかわいそうに思えたくらい。選手に監督の印象を聞いても、口を揃えて『いい人』って言うぐらいで、それ以外は出てこない(笑)。

 しかも、日本メディアに対する会見では、毎回必ずスポンサーへの感謝を口にするなど、上(田嶋幸三・日本サッカー協会会長)の顔色ばかり窺っている感じが見受けられた」(スポーツ紙記者)

 2大会ぶりにアジア杯優勝を逃した森保ジャパン。サムライブルーの面々は表彰式で、準優勝に憮然とした表情を浮かべていた。「決勝進出ならば100%優勝」という日本代表神話も崩れた。監督はこのまま、「いい人」で終わってしまうのか……。

(週刊FLASH 2019年2月19日号)