元日本代表の鈴木コーチ(左)の制止を振り切るギレルメ。Jリーグから相応の厳罰が下されるはずだ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 5月2日にJ1リーグで起きた前代未聞の蛮行が、いまだ波紋を広げている。
 
 12節の横浜F・マリノスvsジュビロ磐田の一戦。80分にこの日2度目の警告を受けた磐田DFギレルメが、なにかしらの言動に逆上したのか、相手MF喜田拓也の臀部に強烈なキックをお見舞いしたのだ。さらに愚行は続き、横浜のチームスタッフにも肘打ちを食らわせる始末。それでも興奮が収まらず、仲間に抱え込まれながらピッチを後にした。
 
 日本国内で大きく取り上げられた“事件”は、映像とともに世界中のそこかしこに拡散した。さすがにどこも驚きを隠せない様子で、英サッカー専門誌『Four Four Two』アジア版はこう報じている。
 
「ジュビロのブラジル人選手は完全に我を忘れてしまったようだ。でなければここまでの大暴れはすまい。レフェリーに退場を命じられた直後は比較的穏やかに見えたが、瞬時に着火し、タクヤ・キダに野蛮な蹴りを入れてグラウンドに倒れさせたのだ。しかもスタッフにも強烈な一発を決めており、もはや言い訳の余地もない。マリノスは試合にも敗れ、降格ゾーンすれすれの16位に落ちた。まさに踏んだり蹴ったりの1日になったのだ」

 
 ドイツの移籍専門サイト『transfermarkt』は「Jリーグで起こったショッキングな光景を目撃せよ」との見出しで動画を掲載。トルコの全国スポーツ紙『Haber7』も「どうしてギレルメはあそこまで怒り狂ったのか。ひとつのミステリーだ」と報じ、ルーマニアの『Romaniatv.net』は「度を越した、驚くような暴力行為」と断じている。
 
 磐田はすぐさま謝罪を含めた声明を発表し、ギレルメ自身も公式サイトを通じて陳謝した。クラブはすでに選手に謹慎処分を言い渡しており、近日中にJリーグの裁定委員会からペナルティーが下される。はたして何試合の出場停止となるのか。2名に暴力を振るっているだけに、厳罰は免れないだろう。