ワクワク感が止まらない「ザ ブッチャー」の外観

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「高校の頃から飲食店でアルバイトをしていて、漠然と自分でもお店をやりたいと思っていたんですよ」と、「THE BUTCHER(ザ ブッチャー)」で店長を勤める喜多裕哉さん。「ブッチャー」はなんばグランド花月のすぐ近くに位置し、ハンバーガーマニアなら誰もが知っている名店「BURGERLION(バーガリオン)」の新展開として16年にオープンした。店名のブッチャーは「精肉店」という意味だ。「オーナーの西村周平さんが、『バーガリオン』とはまた違った肉メインの料理店にしたいと思ったことから名付けられたんですよ」。

ステーキとハンバーガーの2本柱!

喜多さんは中華料理店で働いた後、25歳の頃にハンバーガーに興味を持ち、ハンバーガー店の経営について勉強できるお店を探し始めた。家の近くで営業していた「バーガリオン」でハンバーガーを食べた喜多さんは衝撃を覚える。「バンズも肉もおいしくて! いろんなお店のハンバーガーを食べましたが、ここが間違いなくナンバーワンでしたね」。しかもラッキーなことに、たまたまスタッフを募集しているタイミングだった。面接も無事に通過し、接客やデリバリーの仕事からスタート。3か月後にはハンバーガーの調理補助をさせてもらえるようになり、スタッフのまかないを作りながらハンバーガー作りを学んだ。「当時はミスが多かったですね…。ハンバーガーのトッピングが抜けていたり、バンズを落としてしまったり。でも当時店長をされていた西村さんがやさしくて。僕みたいないちスタッフの意見も積極的に採用してくれて、モチベーションが上がりました」。

「『バーガリオン』の2号店を出すことになった時、社員にもしてくれるというとてもうれしい話があったのですが、自分でお店をやりたかったので断ったんです。でも西村さんが海外への店舗展開を考えているということを知りまして。僕もいつか海外に住みたいと思っていたので、やっぱり一緒にお店を続けることになりました(笑)。海外はまだ住んだことがないので、残りの人生を海外で過ごしたら、またおもしろいことができるかなって。ただ、その時はハンバーガーではなく別の料理で展開することを考えているんですけどね」。

そんな喜多さんを店長に据え、「ブッチャー」は誕生した。ステーキなど肉料理を扱う店舗にしたが、「バーガリオン」のハンバーガーファンが食べに来てくれることも考え、こちらでもハンバーガーを出すことが決定。「バンズもパティもガラッと変えたので、お店のファンの中でも、『ブッチャー派』『バーガリオン派』と男女関係なく分かれているのがおもしろいです」。

21種類あるハンバーガーの中で人気ナンバーワンは、モッツァレラバーガー¥1,300だ。

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「バンズは『バーガリオン』と同じく、大阪・土佐堀のパン店「にちにち」特製。ハンバーガーのバンズと言えばテカリがあるものが主流で、表面が乾燥しにくく、冷凍庫に入れても気泡ができにくいという利点がありますが、それを改良して作っているそうです。見た目にもナチュラル感があり、食べるともちもちした食感。バンズは鉄板の上で焼き上げる際に上からプレスし、熱気をバンズの中に閉じ込めるこだわりも。底は10秒ほどしか焼かず、上はハード、下はふわふわな食感が演出されています。鉄板で焼いたバンズをパティを焼くグリラーに乗せ、表面がバリッとなるようにしていますね」

「パティは但馬牛とオーストラリア牛をかけあわせた、牛100%つなぎなしの150グラム。ミンチは発注し、お店でステーキと合わせてパティに成型しています。胸焼けせずにいっぱい食べられるのがうれしいですね。『バーガリオン』ではパティは表2分、裏4分焼いていたそうなのですが、『ブッチャー』では表2分、裏2分と焼き時間を減らし、ミディアムレアで提供しています。パティの厚みを変える事で焼く時間を調整し、柔らかくて食べ応えのあるパティに仕上がっています。グリラーは本来ステーキを焼く器材で、ハンバーガーのパティを焼く店はあまり見たことがありません。余分な脂が落とせるのがポイントで、焼き目がきれいに付くので、食欲をそそります」。

「野菜はレタス、トマト、タマネギ、レリッシュ。トマトは無農薬のものを農家さんから仕入れているそうで、スーパーで売っているものよりもひと回り大きいです。熟していないシャキッとしたトマトを使うことで、食べている間も型崩れせず、とても食べやすい。タマネギはアーリーレッド(赤タマネギ)で、苦味が少なく、通常サラダで使うものを生で使用しています。シャキシャキとした食感が心地いいですね」。

「ソースはマヨネーズ&ハチミツベースのオリジナルソースで、甘味と酸味が決め手。マスタードはバンズに塗られます」

「モッツァレラチーズは上からバーナーで炙り、焦げ目をつけてチーズを溶かします。チーズの焼ける香りが店内に漂ってたまりませんね!」

さらに「ブッチャー」ではステーキメニューが充実。ブルックリンマッシュドビーフ(150グラム750円)は、ハンバーガーにサンドされるパティをそのまま食べられるメニュー。ステーキ肉とミンチ肉をミックスして作られた肉料理で、肉のうま味をダイレクトに感じられる。

ステーキにハンバーガーと、自慢のメニューを引っさげてオープンした「ブッチャー」であったが、集客には苦戦したという。「実際にオープンしてから、ここは場所があんまり良くないってことに気付かされました(涙)。『なんばグランド花月』の前には観光客など多くの人で賑わっているのに、店の前の『サウスロード』に人が全然来ないんです。しかも店舗が2階なので、外で呼び込みもできない。そんな状態が1年ちょっと続きました」と、喜多さんは当時を振り返る。

「お客さんが来ない間に、ステーキの種類を増やしたり、マンスリーバーガーも始め、デリバリーもやりましたね。西村オーナーがいろんな人にこの店の魅力を伝えてくれていたので、僕は店に来てくれた人をいかに満足させるかに努めました。そんな中、ちょっとずつですがお客さんが増えてきて、常連さんもできました。海外の方がレビューをネット上に書いてくれたことも大きかったですね。とにかくうちはスタッフみんなが明るい性格なので、みんなで打開策を考えられたのがよかったです。あとはインスタや口コミで、お店の情報がどんどん広がってくれました」。

マンスリーバーガーはピーナッツソースのバーガーや、生ハムと洋ナシのカルパッチョバーガーなど、斬新なメニューが話題を呼ぶ。「元々中華料理店で働いていた経験が生きていますね。料理の仕込みとか、揚げ物のレシピなどを応用したりしています。あえてほかのハンバーガー店さんの情報は見ないようにしているんです。ハンバーガー界で、この素材を使ったのは僕が初めて!というものを目指しています。なのでハンバーガーはあまり食べに行かないですね。逆に他の料理を食べて、どうやってハンバーガーに応用しようとか考えています。また、うちはステーキも自慢なので、ステーキのアテに使えるものを探しています」。

理想と現実のギャップはまだある。「日本の食文化として『夜にハンバーガーってどうなん?』っていう風潮がまだまだあるので、そういう方にも喜んでもらえるようになりたいですね。最近はハンバーガーもよく注文されるようになったんですよ。インスタ映えするとあって、いっぱい写真も撮っていただいています。お店の近所に、オープン前から行列ができている飲食店があるんです。うちも行列を作れるようなお店になっていきたいですね」。肉好きにはたまらないラインナップの「ブッチャー」が行列店になる日も近い。本格派の「肉」のハンバーガーが食べたい人は今のうちに食べに行こう!

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ハンバーガーから生まれた妖精・ハンバーガールZのレタス担当まなるんが「ブッチャー」へ!

「まずハンバーガーが出て来た時、チーズがとろけてはみ出していることや、野菜が通常よりも大きいことに驚きました。一口かじると上のバンズが下よりもカリッとしていて、食感のアクセントになっていました。お肉は塩胡椒のみシンプルな味付けですが、ぎゅっと引き締まっていることが食べて感じられ、そこにシャキッとした新鮮な野菜が加わることによって 、爽やかさがプラスされていました。『ハンバーガー食べたぞ!』という印象が強く残るハンバーガーです。流行りのインスタ映えにもおすすめ!」

「THE BUTCHER(ザ ブッチャー)」/創業 2016年5月12日/電話 06-6641-1129/住所 大阪市中央区難波千日前10-13 スギモトビル2F/営業時間 11:30〜15:00(LO14:30)、17:00〜23:00(LO22:30)、土日祝のみランチ営業〜15:30(LO15:00)/定休日 不定休/駐車場 なし/アクセス 各線なんば駅からすぐ

【SHOP DATA】席数 24席(テーブル20席、カウンター4席)/ハンバーガー パイナップルバーガー¥1,200など21種/マンスリーバーガー あり/トッピング チーズ¥100など11種/ドリンク 生ビール(カールスバーグ)¥450など46種/たばこ 禁煙

【人気ナンバーワンバーガー】モッツァレラバーガー\1,300/テイクアウト OK/バンズ 大阪・土佐堀のパン店「にちにち」特製/パティ 但馬牛とオーストラリア牛のかけあわせた牛100%つなぎなし。150グラム/野菜 レタス、トマト、タマネギ、レリッシュ/ソース マヨネーズ&ハチミツベースのオリジナルソース、マスタード/ほか具材 モッツァレラチーズ

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