「触らない痴漢」も検挙の対象に! 元鉄道警察隊長の解説に驚きの声
電車の中で女性の匂いをかぐような「新型痴漢」が横行していると、元埼玉県警鉄道警察隊長がテレビで解説し、ネット上で論議になっている。
こうした痴漢も犯罪になるというのだが、驚く声も多いのだ。
好みの女性見つけて「匂いをかぐ」
新型痴漢の話題が取り上げられたのは、テレビ東京で2018年3月23日未明に放送されたバラエティ番組「じっくり聞いタロウ」だ。
番組では、最近は、ネット上で共謀して集団痴漢に及ぶケースなどもあると報告され、さらなる新型痴漢について、元埼玉県警鉄道警察隊長の澤登真珠枝さんから明かされた。
「最近、取り締まりが厳しいですから、触ったりすると、すぐに逮捕されたりするわけですね。だから、直接に触ることはできない。だけれども、女性のそばに行きたいというような欲望を満たすために、ホームなどで好みの女性を物色して、その方の背後などについて、一緒に電車に乗っていく」
澤登さんは、痴漢をする男性は、また元の所に戻って次のターゲットを見つけると言う。番組では、こうした行動から、電車の揺れなどを利用して自然な接触に見せかけたりするほか、「触らない痴漢」もあると説明した。
この痴漢では、匂いをかいだり、果てはコート内などで自慰行為に及んだりしており、電車内で「変態犯罪」が急増しているという。
匂いをかいだりなどする行為については、澤登さんは、「そういったものを検挙する」と番組の中で言い切った。
触らないのに「痴漢」成立する理由
番組でも、「いくら自然を装ったとしても、この行為は犯罪に当たるので、絶対にやってはいけない!」とテロップなどで注意を促した。
澤登真珠枝さんは、女性は、「触らない痴漢」などが犯罪だとは気付かず、警察から指摘されて初めて被害に遭っていることが分かると話した。「触らない痴漢」の刑期については、「これはいろいろありますけれども、罰金で済むことが多いですね」と明かした。
ネット掲示板やツイッターなどでは、「触らない痴漢」について、「かぐ必要のない見知らぬ異性の体臭を執拗にかいだら普通に変質者では?」「法の隙間をかいくぐるの本当卑劣」といった声が上がった。
しかし、「触らない痴漢」という言葉に違和感を覚える人も多いようだ。たとえば、警視庁のサイトでも、痴漢にあたる行為として、
「衣服や下着の上、あるいは身体に直接触れて、手で下半身や尻、胸、ふともも等を撫で回す」
「背後から密着して、身体や股間を執拗(しつよう)に押しつける」
など、直接的な接触を前提とする説明がされている。痴漢取り締まりに適用されることが多い迷惑防止条例(東京都)でも、
「公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること」
といった表現だ。そういったこともあって、
「匂いを嗅ぐのは痴漢じゃないだろ」
などといった書き込みも少なくない。
とはいえ、上記の迷惑防止条例では、「前二号(触る、盗撮)に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、卑わいな言動をすること」との条項がある。また広辞苑(第七版)でも、「痴漢」は、
「女性にみだらないたずらをする男」
と定義されている。