中盤で存在感を発揮した本田。序盤から何度も決定機を作ったが、グレミオの堅守を破ることはできなかった。(C)Getty Images

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 現地時間12月12日21時にキックオフとなったクラブワールドカップ準決勝、南米王者のグレミオと北中米カリブ海王者のパチューカの対戦は、前者が1-0で勝利した。

 スコアレスドローで終えた前半、印象に残ったのはパチューカの強さだった。

 中盤でしっかりプレッシャーをかけ、フェルナンジーニョやルアン、ルーカス・バリオスといったタレントを擁するグレミオの攻撃陣に対して丁寧に対応しながら、機を見てカウンターを仕掛ける。

 その起点となったのが、本田圭佑だった。とりわけ惜しかったのが、前半終了間際のシーンだ。味方とのパス交換から鋭い中央突破を仕掛け、あと一歩、いや、半歩の差でグレミオDFにブロックされ、シュートこそ撃てなかったものの、特大の決定機を生み出した。

 延長の末に1-0で勝利した9日の準々決勝(ウィダード・カサブランカ戦)から中2日という厳しい日程にもかかわらず、パチューカは後半に入ってもグレミオを追い込み、53分と59分には、またしても本田のスルーパスから決定的なチャンスを作る。

 一方のグレミオは、守護神マルセロ・グロエを中心とした強固な最終ラインを軸に、ひたすら我慢の時を過ごす。それでも60分を過ぎたあたりからは、徐々に南米王者の意地を見せ始め、ボールを支配する時間が長くなっていった。

 しかし、試合の流れが完全にグレミオに傾くことはなかった。原因は中盤にぽっかりと空いた穴……。足首の怪我で欠場した司令塔アルトゥールの不在はやはり大きかった。

 試合は90分で決着がつかず、延長戦へ。2試合連続の延長戦となったパチューカのディエゴ・アロンソ監督は、体力面を考慮したのか、ここで守備を固め、PK狙いとも言える策を執る。

 だが、これが裏目に出た。

 前に出てこない相手に対して、グレミオは勢いを取り戻す。そして延長前半5分、途中出場のエベルトンがゴール右隅に強烈な一撃を叩き込み、ついに均衡を破った。

 試合はこのまま1-0でグレミオが勝利。パチューカと本田の挑戦は終焉を迎えた。北中米カリブ海王者がこれまで一度も突破したことのない鬼門の準決勝。またしてもその高い壁を超えることはできなかった。