村田諒太、エスキバ・ファルカン【写真:Getty Images】

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ファルカンが再戦熱望、当時の判定に恨み「あれはフェアじゃない。絶対忘れない」

 ボクシングWBA世界ミドル級で、悲願の王者に輝いた村田諒太(帝拳)。今後の対戦相手に注目が集まる中、ロンドン五輪決勝で村田に判定負けを喫した男がリベンジを高らかに宣言した。当時の判定の恨みを明かし、「ムラタは五輪での泥棒のツケを払うことになる」と言及。来年6月に運命の再戦がアメリカで実現する可能性が浮上している。米専門サイト「ボクシングシーン.com」が報じている。

「彼もずっとオレを掴んでいたんだ。そのあと、レフェリーがオレから2ポイントを奪っていった。リベンジを果たしたい。あれはフェアじゃない。あれを忘れることは絶対にないだろう」

 こう語ったのは、ロンドン五輪銀メダリストのエスキバ・ファルカン(ブラジル)だった。ロンドン五輪ではミドル級決勝で村田に判定の末に13-14で惜敗。しかし、3回にクリンチで減点を命じられたことを恨みに思っていた。

 記事でも「2012年夏のロンドン五輪で、ホールディングで2ポイントを剥奪され、エスキバ・ファルカオはとても議論を呼ぶ決定で敗れた」と決勝の判定を疑問視している。

 ブラジル史上初のボクシング金メダルの栄光を逃したファルカンはプロ転向後、19戦全勝で13KOと無敗をキープ。現在は村田と同じ大物プロモーター、ボブ・アラム氏の「トップランク社」と契約している。望むものは、五輪に続き、WBA世界王者に輝いた因縁の「MURATA」のベルトだという。

来年6月にラスベガスで再戦も…村田を挑発「五輪での泥棒のツケを払うことになる」

「ムラタはWBAタイトルを手にした。今、オレが彼からのその成果を奪う番だ。それが自分と周囲にとってもリベンジのやり方になるだろう。日本でエデル・ジョフレから奪われたベルトをオレが取り返す」

 ファルカオは53年前の雪辱も蒸し返しながら、こう怪気炎を上げていたという。1964年に「黄金のバンタム」の異名をとったブラジルの世界バンタム級王者、ジョフレはタイトル戦でファイティング原田を判定の末に惜敗。WBAとWBC世界バンタム級王者のベルトを原田に奪われていた。村田との再戦はもはや私怨の域を超え、ブラジルボクシング界の悲願とまで意気込みを見せている。

 記事によると、来年6月にラスベガスかアトランティック・シティで行われる可能性のある村田の防衛戦の挑戦者になるプランが浮上。トップランク社はロンドン五輪決勝の再戦として盛り上げる構想だと伝えられている。

「オレとトレーナーは彼をいかに倒すのか、正確に把握している。準備万端でモチベーションも高く、ハングリーだ。日本からだろうが、彼の求めるどこからでも、ベルトを持ち帰るつもりだ。ムラタはオリンピックでの泥棒のツケを払うことになるだろう。その後、オレは違うベルトを求めることになるだろう。だが、今はとにかくこの戦いがしたいんだ」

 ロンドン五輪決勝での村田の優勝を「泥棒」とまで言い切った挑発モードのファルカン。因縁の再戦は実現となれば、大いに盛り上がりそうだ。