「はばたけ、佑樹 神宮からプロ野球ヘ 巣立ちゆく息子に贈る母の言葉」より

写真拡大

 彼が話題になる季節がやってきた。日本ハムの斎藤佑樹投手(29)が、「休んでいられない」「投げない期間は作りたくない」と猛練習を宣言した。かつて“ハンカチ王子”と呼ばれて世間に親しまれた斎藤佑樹は、またオフシーズンで輝くのか。

 9月27日、オリックス戦に先発してエース・金子千尋(33)と投げ合った斎藤。90球を投げ、6回2失点。白星にこそつながらなかったが、まずまずの好投を見せて首脳陣にアピールした。

 しかし、今季トータルで振り返ると1勝3敗。活躍したとは言い難い結果に終わった。本人も危機感を十分感じているようで、8月には『NEWS ZERO』(日本テレビ系)のインタビューに応じて「引退とかクビとかというのはもちろん感じているというか頭の中にはある」と胸の内を明かしている。

■来年やるやる詐欺再発?斎藤佑樹が「休んでいられない」と猛練習を宣言

 崖っぷちの右腕は今月13日から、鎌ヶ谷のブルペンに立って投げ込みを開始。報道陣に「休んでいられない」「投げない期間は作りたくない」などと漏らし、ストレートを磨くことを宣言。11月12日の侍ジャパンとの練習試合に関しても「チャンスがあればいいですね」と登板へ意欲を見せている。

「今月26日には、早稲田実業の後輩にあたる清宮幸太郎(18)が運命のドラフト会議に臨む。先輩として、斎藤もクローズアップされ、にわかに注目を集めそうだ。それにしても斎藤は、オフシーズンになると露出が増える、本当に不思議な選手」(報道関係者)

 田中将大投手(28)との死闘で甲子園を沸かせた斎藤は、早稲田大学を経てプロ入り。入団1年目こそ6勝したものの、それを最後に成績は右肩下がりとなった。
 
 1軍と2軍を行ったり来たりする日々が続く中、昨年夏にはポルシェや高級マンションの授与を受けていたと『週刊文春』(文藝春秋)に報じられた。ファンから猛バッシングを受け、プロ野球界から追放されるとも予測されたが……何事もなく切り抜けている。まさに“持っている男”と言えそうだが、首脳陣から見捨てられないワケは?

「今シーズンも、相変わらず良くもないし悪くもない中途半端なピッチング。微妙な成績を維持している。内容だけ見ても『来季こそやってくれるのではないか』と可能性を感じさせ、首脳陣が切り捨てにくい。広告塔としての価値が半減してもなおクビにならない仕事ぶりは、まるで窓際サラリーマンの処世術のようだ」(前出・報道関係者)

 来年6月に30歳になる斎藤。来年こそ……来年こそはきっと活躍できる!?

文・佐々木浩司(ささき・こうじ)※1980年群馬県生まれ。スポーツ誌の契約記者を経てフリーに。現在は主に、週刊誌やビジネス誌で活動中。得意分野は芸能、プロ野球、サッカーなど。主な著書に『洗脳のすべて』(宝島社)など。