これで今季の公式戦は8戦6発。岡崎は10戦5発のヴァーディーをも凌ぐハイペースでゴールを積み重ねている。(C)Getty Images

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 やはりこの男が前線にいると、レスター・シティの攻撃に躍動感が生まれる。
 
 土曜日のプレミアリーグ9節、スウォンジー・シティvsレスター・シティの一戦。降格圏の18位に沈むアウェーチームはその4日前にクレイグ・シェイクスピア監督を更迭し、内部昇格でマイケル・アップルトンを暫定監督に指名した。
 
 1-1で引き分け、前政権が瓦解した前節(WBA戦)にベンチ外となった岡崎は晴れてスタメンに復帰。ジェイミー・ヴァーディーと2トップを組み、両翼にはマーク・オルブライトン、リャド・マハレズの「グレイト・フォー」を揃い踏みさせたレスターは、序盤から圧倒的な攻勢を仕掛け、スウォンジーを押し込んだ。
 
 奮迅の働きを見せたのが日本代表ストライカーだ。25分、大胆なサイドチェンジのパスで左サイドのマハレズを走らせる。なんとか拾ったアルジェリア代表が鋭く上げたクロスが敵DFのオウンゴールを誘い、レスターが先制に成功。その後も持ち前のタフネスでピッチを所狭しと駆け回り、常に攻撃の中枢となる。後半開始早々の49分にはオルブライトンのスルーパスを受けたマハレズが右サイドから完璧なクロスを送り、中央の岡崎が難なく詰めてリードを広げた。
 
 試合は1点を返されたものの見事に逃げ切り、レスターが2-1の快勝を収めた。2節以来、7試合ぶりの白星だ。岡崎は今シーズンのプレミアリーグ4点目で、リーグカップを合わせると、これで8戦6発のハイペース。レスターを愛して止まない地元紙『Leicester Mercury』は、得点に絡んだだけではない岡崎の貢献をあらためて高く評価し、「スーパーシンジがレスターを救う。貴重なアウェー勝利!」と銘打ち、手放しでそのハイパフォーマンスを称えた。
 
「スタメンに戻った途端、さっそくこの活躍だ。アップルトンはほぼチームをいじらないと言っていたが、ケレチ・イヘアナチョからシンジ・オカザキへのチェンジはやはり効果が大きかった。オカザキは身をもって証明した。このシステム(4-4-2)で彼が出場すれば、レスターがどれだけ素晴らしいチームになるのかを、すべての者に再確認させたのだ。始まって1分も経たないうちに、ニアサイドに飛び込んで際どいヘッドを放った。次から次へと好機に絡み、まるで必死の形相で獲物を追う猟犬のようだった」
 
 そして、得点シーンをこう描写する。
 
「オカザキは貴重なゴールを決めて、みずからの午後を輝かしいものとした。マハレズが文句のつけようのないパスを中央のオカザキへ送り、朝飯前のように簡単に蹴り込んだ」
 
 岡崎は68分で途中交代となり、お役御免。試合前に「誰がベストチョイスなのかはずっと前から分かり切っている。イヘナチョでもイスラム・スリマニでもない。オカザキ以外にヴァーディーのパートナーはいない」と論じていた同紙だけに、スウォンジー戦での奮迅の働きを目の当たりにし、「それ見たことか」とでも言いたげな持ち上げっぷりだ。
 
 これでレスターは星を2勝3分け4敗とし、暫定13位に浮上。あっさりと降格圏を抜け出した。