米デビュー戦で6度目の防衛に成功した井上尚弥【写真:Getty Images】

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米デビュー戦で敵地から賛辞続々「この男を止めるには規格外のファイターが必要」

 ボクシングのWBOスーパーフライ級タイトルマッチ12回戦(米カリフォルニア州)は9日(日本時間10日)、井上尚弥(大橋)が同級7位のアントニオ・ニエベス(米国)に6回終了TKOで下し、米デビュー戦で6度目の防衛に成功した。米メディアは「まさに『モンスター』の名の通りの結果だった」「間違いなくボクシング界屈指のボディパンチャー」と絶賛している。

 井上が衝撃の米デビューを飾った。序盤から積極的に攻め込み、懸命にガードするニエベスを追いかけ、終始攻め続けた。6回終了後に相手陣営が棄権。圧倒的な内容でV6を達成した。

 これには敵地の米メディアも反応した。米ESPNは「輝きを放つナオヤ・イノウエがアントニオ・ニエベスを退け、王座防衛」と速報。「世界スーパーフライ級王者のイノウエは、母国日本では『モンスター』というニックネームを与えられているが、彼のアメリカデビュー戦はまさにその名の通りの結果だった」と圧倒ぶりを絶賛している。

 さらに、米ケーブルテレビHBOは公式ツイッターでボクシング解説者のマックス・ケラーマンのコメントを紹介。「この男を止めるには、規格外のファイターを連れてこないといけない」と称賛している。

米専門誌も称賛「間違いなくボクシング界屈指のボディパンチャーだ」

 米ボクシング雑誌「The Ring」は公式サイトで「彼は素晴らしいアスリートであり、卓越したバランスと鋭い反射神経を備えている。俊敏で、正確なパンチを繰り出し、試合の流れをいかにコントロールするかも分かっている。力強さもあるが、決してワンパンチでKOを奪うタイプではない」と分析し、さらに24歳の天才ボクサーにこう賛辞を送った。

「間違いなくボクシング界屈指のボディパンチャーだろう。アントニオ・ニエベスとの一戦はこういった要素が結実した結果だ」

 ESPNの記事では、通訳を通じて「自分のパフォーマンスに満足しています」と語ったという井上。「アメリカで試合ができて、とても嬉しく思います。また近いうちにここに戻ってきたいです。相手が誰であっても戦いますし、可能な限り早く行いたい」と意欲を燃やしたという。

 さらに、自身のツイッターではファンに感謝を述べ、「まだまだこんなもんじゃないボクシングを見せていけたらと思います! 夢見る景色へ!!!」とチャンピオンベルトを巻いた写真など3枚の画像とともに思いをつづっている。

 記事では、井上は2012年のプロ転向時から天才と見られてきたことを紹介。過去の戦歴やタイトルを振り返り、功績をたたえている。米国でも、そのポテンシャルを遺憾なく発揮した井上。この男の勢いは当面、止められそうにない。