(撮影:Noriko NAGANO)

写真拡大

27日、ワールドカップ予選のホーム・オーストラリア戦とアウェイ・サウジアラビア戦に臨む日本代表の合宿がスタートしました。これから先は選ばれたメンバーでがんばってほしいと思います。誰が出ても勝たなければいけません。

今年6月に開催されたコンフェデレーションズカップで、オーストラリアは高さを生かすだけではない、しっかりボールをつなぎながらスピード感もある素晴らしいサッカーを見せていました。強さがワンランク上がった気がします。今回のオーストラリア戦はこれまでよりも、さらに厳しい試合になることは覚悟しなければいけないでしょう。

そんな試合に臨むとき、大事なのは「勝てばホームで決められる」という前向きなマインドでピッチに立つことです。逆に気をつけなければいけないのは、先制点を奪われること。相手にリードされると、「勝たなければいけない」という気持ちが、一気に重荷になります。自分で自分を追い込んでしまうことになるのです。

では日本はどう戦うのがいいのか。2016年10月、アウェイのオーストラリア戦で、日本は守備的に戦って、日本が仕掛けてくると思っていたオーストラリアを混乱させました。今回、同じ手を使っては通じないでしょう。またホームですから、前回ほど守備的な戦いは見せないのではないかと思います。

もし日本が守備的に試合を始めてしまうと、相手にとって有利な状況になってしまいます。相手に「日本はこんなものか」と思わせるよりも、積極的に仕掛けることで優位に立てます。そのためにはボールを高い位置で奪いに行く守備が必要だと思いますが、試合開始からタイムアップまで続ける必要はなくとも、序盤でイニシャティブを握ったほうがいいと思います。

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が記者会見で「たくさん、そして速く走る」サッカーをすると語ったので、暑さや湿度での消耗を心配する声もあるようです。確かに影響はあると思いますが、相手のほうが慣れていないことは間違いないのです。

また、オーストラリアに高さやフィジカルコンタクトで勝負しても仕方がありません。日本はアジリティ、クイックネス、スピードで対抗しなければいけないのです。その中で、日本独特のパスや動きの連動で相手の守備を攪乱しなければならない。そうなると、日本の勝機は「ボールも人も走る」サッカーになってくるでしょう。

問題は試合までの時間が短いこと。火曜日に全員が揃い、木曜日には試合です。そうなるとチームでできるのは疲れと時差惚けを取る調整だけで、コンディションを上げることは難しいでしょう。これでどこまで戦えるか。直前の試合に出ている選手は、しっかり身体を動かしたあとに帰国しているのですから、最初は動けます。その動きが何分続けられるか、監督はしっかり見極めてほしいと思います。がんばれ! 日本!