HKT48を卒業し、女優としての道を歩み始めた多田愛佳。2017年は、怒涛の6ヶ月連続舞台公演を経験、その長い道のりを振り返ってもらった。

-1月の舞台版「ロードス島戦記」から数えて「悪ノ娘」まで長かったですね。

多田
一ヶ月たつのがあっという間で終わるのが早かったです。ずっと誰かを演じていなければいけないというのが疲れました。やっと自分に戻れた感じです。

-振り返ってみて、どうですか?

多田
色々ありました。稽古場で泣いたりとか、自分的には100点じゃない舞台もあって…自分でキチンとできていないのに、お客さんに見せていいのかって悩んだりもしました。「僕らのピンク スパイダー」では病気で死んでしまう役だったんです。病にかかったこともなくて、インフルエンザくらいで…なので、病気で亡くなるという悲しさや苦しさがわからなくて、実際に闘病をされた方のブログを見させて頂いたりしてかなり勉強をさせていただいたんです。役に入り込むタイプなので、スゴく演じていた間は精神的にも弱っていたのですが、嫌ではなかったです。彼氏役の「ヒデくん」を本気で好きになってしまって、毎回ラストのシーンでは本気の涙を流していました。色んな人の力を借りて、成長できました。顔をあまり動かすと感情が逃げてしまうから一点を見続けてセリフを言ったほうが良いとか。見ているみなさんは、演じている方が臭くなると泣けなくなるとか、お芝居に関してスゴく勉強になりました。

-「悪ノ娘」では多くのHKT48メンバーが見に来てくれたようですね。

多田
メンバーには「素でしょ?」って言われました。そのくらいハマっていたみたいです。今回は役柄が悪役なので、悪い顔をするところがいっぱいありまして、それがいつもやっているからサッと出来るんだねって言われました。はあ?って思いましたけど(笑)。

-これで、悪役が多くなるかもしれないですね。

多田
悪役が良くないといい舞台じゃないっていうじゃないですか。だから、それは嬉しいかも。

-主演の、元モーニング娘。田中れいなさんとはどうでした?

多田
楽屋が一緒で、BBQしよう、カラオケ行こう、ご飯行こう!って仲良くして頂きました。カラオケにはその後行きました。すごく歌がうまかったです。

-多田さん何を歌ったんですか?

多田
わたしは何も歌わなかった。食べるの専門で。がっつりカラオケをしたってよりは、ご飯会も兼ねていたのでみんなそんなに歌わなかったんですよ。

-BBQも行くかもしれないですね。

多田
でも、れいなさんめんどくさがりみたいなんで…誰かが準備してくれないといけないかも。

-じゃあ、多田さんが準備すればいいじゃないですか。

多田
えーヤダ(笑)。

-そこは嫌だと(笑)。上半期は舞台づくしでしたが、下半期はどうしましょうか?

多田
ファンクラブイベントやりたいです。何やろうか決めてないんですけど。

-ツイッターでファンのみなさんに、やって欲しい事を呼びかけていましたよね。

多田
ツアーとか旅行したいとかってコメントいただいたんですけど、もうちょっと具体的な書き込みが欲しかったです。例えば、イベントするなら「私物プレゼント欲しい」とか「チェキを一緒に撮りたい」とか。

-ツイッターでは変化球なイベントもやりたいって書いてますね。

多田
話題になりたいので変わったことをしたいです。

-SKE48の松村香織さんは、写真集のイベントですがケツバット会とかやってましたね。

多田
えー、ファンの人をケツバットするんですか?じゃあ、わたしはビンタ会にしようかな。ドMの人向けに良いですよね(笑)。

-ビンタ(笑)。ファンのみなさんにも、具体的な意見をツイッターで送ってほしいということですね。

多田
はい!あ、でも料理は作れないから駄目かも。誓約書を書かせることになっちゃう。「わたしが作ったものを食べて下痢しても文句言わないで下さい」って。

-そこまで!

多田
だって、料理やらないんだから何が起こるかわからないじゃないですか(笑)、手を洗わないで作り始めるかもしれないし。料理食べたいって言われるんですけど…おにぎりくらいかな。

-おにぎりはよくあるから変化球ではないですよ。

多田
じゃあ、焼鳥かな?

-焼鳥やったことあるんですか?

多田
あるわけないじゃないですか(笑)。でも、ちゃんと焼けてなくて生で下痢させちゃうかも…。この前ね、これどうかなってのメモったんですよ。朗読会。芝居やっているから声を聞いてもらいたい。あと、抽選で曲を選んで何でもわたしが歌う。らぶたんを笑わせる選手権。わたし、基本的に笑わないので、皆さんが頑張ってわたしを笑わせるって言う、面白くないですか?

-ファンが頑張る、と言うのは変化球かもしれないですね。多田さんのここまでの小悪魔キャラが生きるイベントのほうがいいかと思います。

多田
わたしが楽しむっていうのがベースで、わたしが楽しめるイベントならばみなさんも喜んもらえると思うんです。ファンの方の中には「遠い存在になっちゃうね」みたいに言われるんですけど、そんなことはなくて…。なんかね、中には売れて欲しくないとか言う人もいるんです。でも、売れなかったらわたしもイライラするだけで、売れた方がみなさんにも会う機会が増えるだろうし、売れたほうが絶対にいいんですよ。そう思いませんか?

-どうしたんですか!

多田
ファンのみなさんとの距離というのを考えるようになりまして。

-アイドルを卒業したわけで、ファンとの距離は難しいですね。

多田
そうなんですよ、だからまずは、ファンイベントで何をやりたいのか、詳細まで教えていただきたいんです。

-いまの提案ではまだまだだと。

多田
ちょっと薄いですね(笑)。皆さんの意見は普通かなと思います。変化球を下さい。「パンツ差し上げプレゼント会」とか。

-パンツ?

多田
わたしがパンツを選んであげて、抽選でプレゼントしてあげるの。女性の場合もあるから普段自分では買わないようなTバックとか派手なの買ってきて。

-話題にはなりますね。パンツあげるって聞こえが悪いですけど(笑)。

多田
20歳を越えているので、もう良くないですか?パンツは誰でも履くしちょうどいい。

-さて、ファンとの距離と言えばAKB48グループは総選挙が終わったばかりです。多田さんはツイッターで「メンバーの皆さん、ファンの皆さん、本当にお疲れ様でした。 それぞれ想いはあると思いますが、この『総選挙』という大変なイベントに 挑んだ自分にご褒美あげてください 後悔しないように全力で。 みんなに「来年」があるとは限らない。 こんなこと言う立場では、もうありませんが、、、」とコメントを出していて、スゴくいい言葉だと思いました。

多田
総選挙って、立候補制になるまでは必ずでなければいけないイベントだったんですけど、出ているメンバーにはスゴく怖いイベントなんです。入るか入らないかという瀬戸際の子もそうだし、選抜常連もそうだし、握手会で人気がないって分かっているメンバーも、結局は出ないといけないじゃないですか、立候補制にしたとは言え。だから、そんな怖いイベントなのに、逃げずに頑張って出ようって思った自分をまずは偉いと思ってほしいんです。順位に一喜一憂するのはいいんですけど、まずは自分が逃げずにこのイベントに立ち向かったことを褒めてあげたいなと思いました。

-今回の総選挙は殺伐とした雰囲気もあったので、こういった卒業メンバーの言葉がメンバーもファンも欲しかったと思います。指原さんの3連覇については?

多田
もう余裕かなって感じでした。まだ直接会えてないけど、LINEで「おめでと」って打ったら「頼りないわたしでごめん、頑張る」って返事ありました。最近ね、さっしーからはネガティブなLINEばっかり来て、わたしが励ましているんですよ(笑)。今回は、HKT48は圏外とか、ランクが落ちたメンバーが多かったので、それが落ち込んでいる原因だったんです。自分の1位よりも、メンバーのことを考えられるのはスゴいです。でもね、さっしーも一緒にHKT48で頑張ってきた仲ですけど、今回はまゆちゃんに1位になってほしかったです。

-HKT48メンバーに思うことは?

多田
そろそろ、一人一人のプロ意識をあげるべきかなと思います。

-先輩からの厳しいお言葉が。

多田
もう、若いメンバーが多いっていうのが売りにならないと思って。NGT48が出来て、STU48が出来て…STU48って海があって元気があってHKT48と似ていると思うんです。だから、違う部分を見せるためにスキルを付けないといけないかなと思います。いままでは、何もない真っ白なキャンバスなのがいいってファンの方もいて…でも、それだけじゃもう無理かなと思います。

-キャンバスに何かを書き始めないとヤバいと。

多田
歌番組も、48全グループが出られるってわけじゃないし、紅白を見ても出られるグループもメンバーも限られてきましたし。例えば今回は2グループしか出られない、となった時にHKT48が選ばれるように頑張らないと。

-心配な部分でもあるんですよね。

多田
はい…そうですね。

-同期の渡辺麻友さんについてはどうですか?

多田
10年ここまで頑張ってきて、名残惜しさはあるだろうけど引き止めるファンの方もいないのかなと思います。それくらいに、まゆちゃんは頑張ってきたから。何にも言わないんですよこの人、弱音を。内に秘めたことは言わないタイプなので、いま思うと辛いことも一杯あったのかなと思います。

-卒業後は女優としてライバルになりますね。

多田
同じ事務所なので、いままでわたしだった仕事がまゆちゃんに行くことが増えるかもしれません。頑張らないと…。でも、2017年は怒涛の勢いで舞台を経験したので、わたしには実力がついたんです。半年間、色々な知らない人を演じてきたわけです。だから、演技では負ける気がしないです。

-すごい、その自信最高です!

多田
後半はドラマとかにも挑戦してみたいです。

-おお!

多田
自分が、画面のサイズでどんな顔しているのか、動きをしているのかをみたいです。