NECパーソナルコンピュータは2016年9月13日、個人向けパソコンの秋冬モデルを9月15日から順次発売すると発表した。取り込んだ写真を使って簡単にスライドショーを作成できる機能を搭載するなど、ファミリー層を中心にデジタルコンテンツを使ったクリエイティブパソコンの使い方を提案する。主力モデルである15.6型ノートパソコン「LAVIE Note Standard」シリーズには、インテルの最新CPU「第7世代Coreプロセッサー」(開発コード名は「Kabylake-U」)やUSB 3.1(Gen2) Type-Cポートといった先進的な機能を盛り込んだ。

NECパーソナルコンピュータが発表した秋冬モデル。写真は主力モデルのLAVIE Note Standardシリーズ

クリエイティブ機能とイヤホン利用時のサウンドにこだわり

秋冬モデル共通の強化点は、「MediaShow」と「イマジナリ―スピーカー」の2点だ。写真と動画の管理編集アプリであるMediaShowは、従来モデルから搭載していたが、最新バージョンでは顔認証技術を使って、簡単に見栄えのするスライドショーが作成できる機能が追加された。過去1週間、過去1年間などの撮影時期とメインで表示する人を選択するだけスライドショーを作成できる。表示する人の抽出に顔認証技術が使われており、複数人を選択することも可能だ。写真の差し替えやBGMの追加など、後から再編集することもできる。

スライドショーを作成する機能が追加されたMediaShow

スライドショーを作成する機能が追加されたMediaShow

顔認証技術を使って、スライドショーの“主役”を選べる

顔認証技術を使って、スライドショーの“主役”を選べる

もうひとつのイマジナリースピーカーは、ヘッドホンでも自然なリスニングを実現する機能だ。画面の横に置かれたスピーカーから音がなっているような定位を作り出すというもので、長時間聞いても疲れず、どんなヘッドホンやイヤホンを使っても効果を得られるのがメリット。このほか、サウンド面では、ハイレゾ対応音楽再生アプリ「HiGrand Music Player V2」を搭載。データをダイレクトに再生するWASAPI(Windows Audio Session API)排他モードで再生できる音声フォーマットが増え、従来はDSD(DoP再生)のみだったがWAV、FALAC、ALAC、SDS(PCM再生)も再生できるようになった。

イマジナリースピーカーの概念図。バーチャルヘッドホンと違い、前方にステレオ定位をつくることで、聞き疲れない自然なリスニングを実現する

WASAPI排他モードの対応フォーマットが拡充され、より多くの音声フォーマットが再生できるようになった

WASAPI排他モードの対応フォーマットが拡充され、より多くの音声フォーマットが再生できるようになった

第7世代CoreプロセッサーやUSB3.1(Gen2) Type-Cポートを搭載した主力モデル

4タイプ39モデルをラインアップする秋冬モデルの中でも、注目なのはLAVIE Note Standardシリーズだ。上位モデルは、第7世代CoreプロセッサーやUSB 3.1(Gen2) Type-Cポート、UHS-II対応のSDメモリーカードスロットなどを搭載する。デザインは、キーボードの上部にあるボタンをパネルと一体化したデザインに変更したほか、ゴールドモデルの色を一新。より落ち着いた金色に仕上がっている。

NS850/FABは、最新のCPUなどを搭載したLAVIE Note Standardシリーズの最上位機種

NS850/FABは、最新のCPUなどを搭載したLAVIE Note Standardシリーズの最上位機種

最上位モデルの「NS850/FAB」は、4K2K(3840×2160)のタッチ対応液晶ディスプレイを搭載。タッチパネルを液晶に内蔵することで、より色鮮やかな表示を実現している。ヤマハ製のスピーカー(2W+2W)とウーファー(4W)を内蔵し、前述のイマジナリースピーカーにも対応する。USB3.1(Gen2)ポートは、パワーオフUSB充電対応のType-AポートとType-Cポートを搭載。Type-Cポートはパワーデリバリーに対応しており、最大5V/2Aで充電できる(映像出力には非対応)。

主な仕様は、CPUがCore i7-7500U(2.70GHz、最大3.50GHz)、メモリーが8GB(DDR4 SDRAM)、ストレージが1TBのSSHD、光学ドライブがブルーレイディスクドライブ(BDXL対応)。OSにはWindows 10 Home 64ビットを採用する。本体サイズは約382(幅)×270(奥行)×26.2(高さ)mm、重量は約2.7kg。市場想定価格は234,800円前後で、10月中旬に発売する。

今の時代の“キューハチ”を目指したプロジェクトが進行中

同社の執行役員常務でコンシューマ事業プレジデントの宗像淳氏が今後の販売施策を説明。Webページと連動し、パソコンを使ったシーン提案をしていく冊子「LAVIE plus」を用意し、全国22店舗あるLAVIE Shopでは、写真や動画の編集方法のレクチャーや子ども向けのプログラミング体験といったイベントを開催していく。苦戦が続く個人向けパソコン市場については、「右肩下がりの状況がずっと続くとは思っていない。『ホームIoT』など、コンピューティングパワーが必要となる新しいシナリオがすぐそこまできている。そのシナリオをユーザーに見せられれば、急転換するのではないか」と語った。

日本マイクロソフトでも要職を歴任した宗像氏だけに、「ソフトとハード、石(CPU)を作っているところが、もっと密に仕事をすることで、新しい機会が生成される。1つの製品を作るのには、2年はかかるので、今から2年後、3年後がどうなっているのか話しながら進める必要がある」とも述べた。

また、「LAVIEは、かつて国民パソコンだった『PC-98』のDNAを受け継いでいる。今の時代の「キューハチ」を目指して、さまざまなプロジェクトを進めているので、期待してほしい」と語った。“キューハチ”こと「PC-9801」は、国立科学博物館が認定する「重要科学技術史資料」(未来技術遺産)に登録された、パソコン普及期の代表的モデルだ。今の時代らしいキューハチがどういう形で登場するのか注目したい。

NECパーソナルコンピュータで個人向けパソコンを担当する宗像淳氏

NECパーソナルコンピュータで個人向けパソコンを担当する宗像淳氏

新しい時代の「キューハチ」を目指してさまざまなプロジェクトが進行中だという。こちらにも期待だ

新しい時代の“キューハチ”を目指してさまざまなプロジェクトが進行中だという。こちらにも期待したい


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