/忠君のために家族さえも犠牲にする。聞こえはいいが、結局は、自分一人の保身と体面のために、かってに自分の家族をも利用しているだけ。孔子の教えでは、法に背き、世を敵するとも、生きて家族を守れ、であって、滅私奉公ではない。/901年、文章博士から右大臣右大将にまで昇り詰めた菅原道真は、貴族たちの反発を買い、冤罪を被り、太宰府に流された。だが、これに先立ち、道真は、不義密通の罪で破門し、いまはしがない