京都駅から、バスで十分ほど。中心部の繁華街をすこし外れると、ほっそりした小路がある。静かな道の奥から、砂糖醤油のタレの甘い匂いがする。それに釣られて歩くと、和菓子屋Kに出会う。わたしは、ここの常連だ。一本ごとに焼きたてのみたらし団子が好きで、仕事帰りにいつも通っている。熱い団子を頬張るたびに、一日の疲れが薄くなってゆく。甘さは控えめ、自己主張はしない。けれど、しょうゆと餅の味が、しみじみと効いてく