レッドソックス・上原浩治【写真:田口有史】

上原「フィジカルの問題」、GMは腰の故障に言及

 スプリング・トレーニング開始を目前に控えるレッドソックス上原浩治投手が昨季終盤の一時的な不調について、加齢による衰えなどではなく故障が原因だったことを明かした。地元紙ボストン・ヘラルドが報じている。

 上原はすでにスプリングキャンプが行われるフロリダ州フォートマイヤーズに入っており、練習を開始。4月に不惑を迎える絶対守護神は現地で昨夏のらしからぬ急降下について初めて口を開いたという。

「どちらかというとフィジカルの問題ですね。あの時は話しませんでしたが、今は大丈夫です」

 上原は通訳を介してこう語っている。

 上原は昨年64試合登板し、6勝5敗26セーブ、防御率2・52と優秀な成績を残した。だが、夏以降に不調に陥り、一時的にクローザーの座から退いている。記事でも8月16日から9月4日までの被打率5割、防御率19・29という数字を紹介。2013年のワールドシリーズ優勝の立役者だけに蓄積疲労や加齢による衰えを危惧する声もあったが、実は故障を抱えていたという。

 本人は「疲労ではありません」と語るにとどまり、明確な箇所を明かしていないが、ベン・チェリントンGMは「ちょっとした腰の問題」と語っている。それでもチームはオフに2年総額1800万ドルで契約を延長し、守護神に対して変わらぬ信頼を寄せている。

「クローザーの座が保証されているとは思っていない」

「僕が交渉していた唯一の球団ですし、サインするとしたらレッドソックスになるだろうなと考えていました。レッドソックスが複数年契約を提示したので、フリーエージェントとしてオフはスッキリと過ごせました」

 上原は同紙にそう語っている。上原の登場する9回はファンやメディアから「コウジ・タイム」と呼ばれている。おなじみの登場曲「サンドストーム」でフェンウェイパークは一気に沸騰する。上原とチームは相思相愛のようだ。

 チームは上原をクローザーとして考えているが、ベテラン右腕に油断はない。ブルペンには田澤純一、エドワード・ムヒカ、アレクセイ・オガンドら人材もいる。

「(クローザーの座が)保証されているとは思っていない。それを勝ち取らないといけない。それが自分のやるべきことですね」

 そう語っている上原。チームは13年のワールドシリーズ優勝から一転、昨年ア・リーグ東地区最下位に転落した。名門復活に闘志を燃やす上原がクローザーとしてチームの躍進を後押しする。