出走表、オッズ、予想屋さん、同じ情報を仕入れても微妙に違う投票。個性が出るから楽しいですね

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「JR大森駅に12時待ち合わせね♪」 夏真っ盛りの8月2日(土)、目的地はボートレース平和島、今回は、年下の男を誘ってボートレースデート決行です!(前回のレポ女子ひとりでボートレースを見に行ってきたレポ)

■まずは名物モツ煮とビールで乾杯!
やはり入場口で戸惑う彼。
「ここに100円を入れるんだよ」
入り口のゲートに100円を入れるとゲートが開く。得意げにやってみせると
「こんなの初めてだ!」
と驚く彼、ふふふ、かわいい。今日一日楽しんでもらえそうな予感。

出走表をゲットしたら、まずは水面へ。青空、太陽光、水しぶき。
「夏だー!」
思わず二人で叫ぶ。JR大森駅から無料シャトルバスでたった10分なのに、まるで遠出したような感覚、テンションが上がる。

「これがおいしいんだよ」
名物のモツ煮と生ビールを購入して、出走表のチェック。
出走表をみるやいなや「6艇6色〜♪」と歌い出す彼(以前のCMソングですね)。
「つまり、1着から3着までにだれがくるかを予想して、1・2・3着を着順どおりに当てる買い方と、 1・2・3着を着順に関係なく当てる買い方があるのね、で、着順どおりに当てるほうが当然むずかしいと。ふんふん」
そして連単、連複といった舟券の買い方もインフォメーション・センターでもらったガイドブックを参考に、すぐにマスター。うむむ、前回、やっと1日がかりでやっと理解したのにこやつは……。でも、これはラクチンだぞ。
「選手の調子と使ってるモーターの勝率を見るのがポイントなのか、あ、選手がモーターの整備をしてるの、なんかマンガで読んだことある」
それは、ボートレース傑作漫画『モンキーターン』です。よし、今日は勝ちに行こうじゃないか。

■指定席でゆったり快適に観戦

会場に熱中症対策を促すアナウンスが流れるほどの暑さ。
「4階に指定席があるよね、行ってみたいな」
せっかくのデートだし、ここは奮発しちゃおう。
「指定席チケット売り場はどこ?」「3階にあるみたい」案内図をみながらアトラクションを探すみたいで楽しい。
3階の階段をのぼってすぐの指定席券売り場でチケットを購入。4階の指定席にはシングルタイプのS席(2,000円)とペアタイプのA席(2,000円)があります。ペアタイプは一組で2,000円なので、一人あたり1,000円で自分たちのスペースが確保できちゃうんです。
座席は、映画館のように空席が一目瞭然。
「発券機に一番近い一番うしろの席が人気ですよ」 と受付のお姉さん。自由席と同じく、観覧席は階段状になっている。最前列の席は10段くらい降りた一番下。ガラス張りでレースが一望できるのは魅力だけれど、発券機を利用するまでいちいち階段の昇り降りが必要。全レースの舟券を買うとなると、これはけっこうたいへんだ。

通は最後列を選ぶべし

深く心に刻んだ。

だけど、今日はデート。眺望優先で一番前のペア席をゲット。二人で探すAの117番。
「あった!」「ここからだとコーナーの接戦も見やすいね!」

座席にはレースのオッズなどが見られるモニターが設置してあって、マークシートに記入するスペースがある。座ってみた……近い! 彼との間はこぶし二つ分くらいの隙間で、出走表を一緒にみたりマークシートの書き方を教えたりすると肩がぶつかり合うくらい。お隣さんとの距離も適度に空いていて、絶妙な近さにドキドキ感も楽しめる。ちょっとしたプライベート空間は初デートには持ってこいだ

この指定席エリアは、コーヒーやジュース類が無料(一部有料100円のものもあり)。喫煙ルームも二カ所設置されているのでクリーンな環境が魅力的。混雑したテーマパークで、炎天下、アトラクションに長時間並ぶ苦労を考えたら、汗知らずで化粧崩れもしないのに、とびっきりのスリルを味わえるという。これはボートレースの圧勝ですね。
指定席を利用すると必ずもらえる500円分のサービスチケットをモナカアイス(110円)2つとスナック菓子(100円)2種類と交換(ボートレース専門紙と交換することもできる)、一日いても本当にお金がかからない。お財布にやさしいデートプランだとしみじみ思いました。(けして安上がりな女ではありませんよ!)

■デート用に会話のネタを仕込まなくてもいい!

初デートで困ることといえば、会話。恋愛本なんかには「デートで話してはいけないこと」だとか、「こんな会話をすれば好感度アップ」とかあるけれど、実際は思い描いたようには行かないもの。そんなぎこちない会話をするくらいならば「黙ってボートレースに行こう」と言いたい。
「1が堅いんじゃない?」
「なるほど、前回のレースで調子よかった選手が出走するんだ。ランクはBかあ」
「やっぱり、僕は6と4にする」
熱中できることがあると、不思議と会話が途切れない。
「この選手が来たら、すごいよ。(オッズをみて)うおー、ふたりでラーメンに餃子がつけられる。いや、餃子は食べ放題だな」
勝敗の結果によっては廻っていない寿司も夢じゃない。
「寿司行こうよ、もしあたったら寿司!」 「うおっしゃー!」
ほら、晩ごはんの約束まで自然にできちゃった。しかも、レースを追うごとにどんどん距離が縮まっていくのも実感。

勝っていっしょにはしゃぐのもいいし、負けてくやしがるのもいい。勝敗がわかれちゃった時も「今度は負けないからね」って闘志を燃やすパターンも盛り上がってよいもの。
相手の性格の一端ものぞけます。マークカードに記入するわたしの手元を見て
「太めに線をひけばいいんだ」とつぶやく彼。
「僕、試験のマークシートみたいにきっちり塗ってたよ」
やばい!大雑把な性格がバレた……。

3レースをこなしたくらいから「よし3連単狙うぞ」と勝負に出はじめた彼。「4と2を軸に、3位は『ながし』にする」と本気だ。
「ながし」とは全通りを買うもの。負けず嫌いというべきか意外と手広い買い方をするのね。
舟券の買い方やマークシート一つとっても、こういう些細なところに性格ってあらわれるんですよね、じっくり観察しましょう。

誰に票を投じるか、出走表をみながら的をしぼったり、予想屋さんの話を聞いて、過去の勝敗や本日の選手の調子などから当たりをつける。さらにスポーツ紙を吟味したり、風向きや天候から波乱の展開を心配してみたり。そして、いくら投じるのか財布との相談。レースが始まる前にも話し合うべきことがてんこ盛り。そして愛情をかけて投じた分だけレース観戦にも力が入る。退屈する暇がないほどお楽しみが詰まっているんです。

気がつけばふたりの世界に入り込んでしまうほど騒がしくない場内。レース展開が激しさを増すと「いけー!」という声が聞こえてくるくらいで、指定席は静かな大人の空間。
飲み物をとりに行った彼が「後ろの席のマダムが『次は勝つわよ』って気合い入れてたよ」と興奮気味で戻ってきた。意外にも扇子を片手に観戦するお上品なマダムの姿も多数。

前回は、女子一人でもイケメン選手探しに没頭して楽しかったけど、つきあいはじめた彼と、共通の趣味を育てていく楽しみかたもアリかも。実はデートにも使えるボートレース、一度足を運んでみては?
(柚月裕実)