「アオハライド11巻」DVDアニメ「unwritten」つきは限定版なのでお早めに!
(C)咲坂伊緒/集英社

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テレビ放映はすでに折り返しに突入した、アニメ「アオハライド」の原作コミックス、第11巻「アオハライド」が発売しました!
この11巻は通常版と限定版があり、限定版はなんとDVDアニメつき。

DVDアニメは双葉と洸の中学時代を描いたプロローグ「unwritten」が収録されています。
これを見ると、中学時代のふたりの思い出がよりよく分かり、もっと胸キュンすること間違いなし、です。

11巻の内容をレビューすると、アニメのネタバレになってしまうので、今回は11巻のアニメ「unwritten」の見どころをピックアップしたいと思います。

■男嫌いな双葉が平気だと思える存在、田中くん

中学時代、男子に興味はあるけれど、乱暴だし、ガサツだし、
いろいろ嫌になったこと、ありませんか?
お父さんをなんとなく嫌いになったり、みたいなことと似ているかもしれません。

男の子が中学に入ってますます苦手になった、吉岡双葉。
でも、ひとりだけ明らかに違う、と思う存在がいました。

「となりのクラスの田中くんは、何か違う。

田中くんは背が小さくて、声が低くなくて女のコみたいで、サラサラしてる。

だからかな。田中くんは平気だ」

特別に何かあったわけでもないけれど、気になる男の子。
その子をつい目で追っちゃう、みたいな現象ってありますよね!
そこから自然と「好きかも…」って思うことも。
まだ種の状態かもしれないけど、恋の芽が出そうな予感です。

■男子と一緒にドロケー遊び。田中くんと急接近

双葉は友達との帰宅途中、ドロケーで遊んでいた男子を見かけます。
アニメ7話にも登場した、双葉の友達の由美ちゃんはその中にいる内藤くんが好きなので、
「私もやりたい!双葉たちも一緒にやろーよ!」とみんなを誘います。

「えー」とかいいつつも、なんだかんだみんなが笑ってる。
双葉は田中くんを発見。

目が合った

「別にやってもいいけど…」

思春期まっさかりに男子と一緒に遊ぶ、ってドキドキですね!
誰もが本当はそうしたいけど、なかなか言い出せないし、言い出すのは恥ずかしい。
だからこういう流れで一緒に遊ぶことになるなんて、内心ドキドキでしょう。

双葉は自分が隠れようと思った場所で、田中くんに会ってしまう。
その場を去ろうとした双葉の腕をつかんだ田中くんは前に出て様子をみる。
双葉は後ろから超近距離で田中くんを見つめます。

「えり足がくるんてしてる、かわいい。

シャンプーのにおいと少しだけ汗のにおいする。

これが男の子の匂いなのかな…」

接近したことで匂いを嗅いでますっ。
中学生で男子の匂い嗅ぐってさ、結構積極的というか、男嫌いのわりになかなかやりますね。
これもアニメ7話に登場した「嗅ぐなよ」の思い出の話です。
こういう話を知っていると「アオハライド」がさらに楽しめますよ。

■ドロケーで助けて助けられって…なんかラブい

田中くん「吉岡さんはここにいな」

警察チームにばれそうになったので、自分がおとりになろうと走り出した田中くん。
ところが、ケイサツにつかまってしまい、牢屋に入ることに。

味方がタッチすれば脱獄できる。
自分のせいでつかまった田中くんを助けようと思った双葉は、走り出します。

「待ってて田中くん…! いま、私が!」

───結局、双葉もつかまってしまう。

双葉「ごめん。助けるつもりだったんだけど…」

牢獄と書かれた円の中で、ふたりっきり。

田中「あの…。サンキューな。
吉岡さんが走ってきてくれたときサ、結構だいぶうれしかった」

双葉の顔が赤らむ。

田中くんはほかの男子と違って全然平気。イヤじゃない

かわいい〜!ゲームなんだけど助けて助けられて。
ああ、なんかラブいのよ。つきあってもいないけど、助け合うのって。

田中くんも双葉だから一緒に隠れたし、
双葉も田中くんだから助けに行った。
うん、もうこれって両思いですよね!?
一番ドキドキして、一番楽しい時間です。

■意識しあうふたりが偶然一緒に雨宿り

それからのふたりはお互いにチョー意識しあいます。

購買部で田中くんと会って、お互いに会釈。
ふたりともちらっと見ては目をそらす。

雨の日、校舎の中で田中君を目撃する双葉。
ふたりともちらっと見ては目をそらす。

■いつもそう、目があうと必ず一度そらしてまたあわせる。

もう偶然じゃないんですよ!
言葉を変えるならばアイコンタクトですからね。

そしてある日の帰り道、突然雨が降り出す。
神社へと雨宿りにきた双葉。そこには田中くんがいた。

「田中君のことはいやじゃないのに、なんか緊張する。

これじゃあまるで私、田中くんのこと……。

まさか、恥ずかしい!」

誰もいない神社にふたりっきりで雨宿り。
こんなシチュエーションは…そりゃ緊張するって!
緊張のピークに達した双葉が投げかけた言葉。

双葉「田中くん、お祭り行く?!」

しかもこれも誘っているみたいに聞こえたかも!とあたふた…。
ほんと、端から見ているとめっちゃナンパです。

田中くん「これ使って良いよ」

緊張のピークを体操着を双葉の頭に置いた田中くん。

田中くん「大丈夫。それ、着てないやつだから。一回しか」
双葉「うえーーー!?」

緊張をときほぐしてくれたかのような、ナイス対応です。田中くん。
こんなことできるなんて、この時代から恋愛上級者ですな。

女の子としてはこんな対応をされたら、さっきの夏祭りの話、どう思った?とか、
いまどんな気持ち?とか、気になりつつも、
体操着を貸してくれたという優しさもあるし…と、揺さぶられまくりですよ!

「田中くんはそうかな、違うかな……」

■いま、夏祭りの約束したの?どっちなの!?

次の日、体操着を返しにいった双葉。
田中くん「夏祭り、友達ともう約束した?」
双葉「まだ、してない」
田中くん「7時、三角公演の時計のとこ」

えっ?なに?一緒に行こうってこと?
さっきの約束なのかな?どうなの?

田中くんの当然の言葉に、きょとんとしてしまう双葉。
言葉が足りないんだけど、これは照れながら頑張ったお誘いです!
でも確信していない、自分だけ誘われたなんて思ってて行ったら恥ずかしい。

しかもそのとき、田中くんのクラスメイトが会話を邪魔します。

「おまえらってほんとになにもないのー?なあー?」

はい、こういうのはダメですね。最悪です。
まだあやふやな時期に周囲が茶化しているとも取れるような質問をするのは御法度ですっ。

「平気なのは田中くんだけ!あとはみんな嫌!」

双葉はもともと男子が嫌いと思っているので、恥ずかしさも手伝って爆発します。

双葉「やめてよ、うっとおしい!だから嫌なんだよ、男子なんて!
バカみたい!男子なんかみんな嫌い!」

この双葉の言葉をたまたま聞いてしまった田中くん。

「あ…。田中くんは別だってわかるよね、大丈夫だよね。
だって私たち、あんなに目を合わせてたんだもん」

ちょっと心配ではあるものの、弁解するのもおかしいですから。
じっとその約束の時を待つしかない、のです。

■夏祭り当日。田中くんは……?

さてドキドキの夏祭りの日が近づきます。

原作には描かれていないシーンとして、
双葉が手帳にも書き込んいて、シールも貼っていました。
寝る前に待ち合わせ場所と時間を繰り返し考えていたり、着ていく洋服も悩んでいたりします。
田中くんとの約束を心待ちにしている感じがより一層表れています。

きっと大丈夫と思っていた夏祭り当日───。
田中くんは来ない。
連絡先も聞いていないし、連絡もとれない。
もしかして聞き間違えたのかと、8時まで待っていた。
結局、田中くんは来なかった。

「もしかして男子なんてみんな嫌いといった言葉を誤解されたのかもしれない。
嫌われたのかもしれない。そもそも最初から誘われてなかったのかも」

中学時代の恋愛って、ちょっとしたことで芽生えやすい反面、
誤解やすれ違いで簡単に終わってしまう気がします。
友達にからかわれたり、誰かと話しているところを見たり、
人から聞いたうわさ話とか、そんなささいなことだけで崩れちゃうんですよ。
自分というよりも集団が大事で、個性もなかなか出せない時ですからね。

でも双葉はあの言葉がなんだったのか、田中くんに確かめたくて、夏休みなんて早く終わっちゃえと願います。
双葉は確かめたいって思っているので、結構田中くんを好きなんだな、って思いますけどね。

■何も始まらなかった、手探りの恋愛

新学期、双葉は学校で男子の会話を耳にする。
「えっ、田中って転校したの?!」

帰り道、雨が降り出したので、神社で雨宿りをした双葉は田中くんを思い出します。

会いたいのに もう会えないの?
双葉の頬を涙がつたう。

「田中くんが好き。
あやふやで手探りみたいな恋だったけど、好きだったの。
でも 何もはじまらなかったんだ。何にも。
田中くんはどんな顔してる?」

田中くんはいなくなっていました。なんということか……。
誰にも言わずにひっそりと引っ越した田中くん、確実に何かあった感じです。
でも、中学生の気持ちでさ、そんなことを考えるはずはない。

自分は嫌われたかも、何も言ってもらえなかったから。
そのことしか考えられないほど、田中くんが好きだったんです。双葉は。

中学時代って、恋をしても告白することだって難しい。
さらには告白してもうまくつきあうことも難しいんじゃないでしょうか。
でもきっと自然と好きな人はできちゃうし、悩ましいですよね。

「何もしないから何もはじまらなかった」というのは双葉にとって、恋愛関係だけではなく友達のことでも教訓となっていきます。

なくしてしまったなら、また作ればいい!
高校生になって、自分を変えるために一歩踏み出して行こうと決意した双葉の中には、このときの出来事も知らぬうちに糧となったんだと思います。
(小林美姫)