食事時間がバラバラの家では常備菜が心強い味方ですよね。

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一家揃って食事をとるのは理想だが、現実的にはお父さんの帰宅時間が遅かったり、子どもの成長にあわせて習い事や塾、部活等があったりと、夕食時間がバラバラになりがち。
そうした場合、「時間差があっても美味しく食べられるもの」「温めなおしても味が落ちないもの」として、カレーやハヤシライス、シチューなどが頻繁に登場する家庭もあるのではないだろうか。
さらに、親の帰宅前に子どもが一人で夕食をすませて塾などに行くケースもある。そうした場合、1〜2皿で必要な栄養をいっぺんにとれるものは便利だろう。

では、夕食時間がバラバラになりがちな家庭の料理のコツって? 管理栄養士の泊真希子さんに教えてもらった。

■ポイント1:1皿で済ませられる「具だくさん系」
「今の時期ですと、たとえば『冷しゃぶ』。肉も野菜も一緒に食べられるし、朝作っておいて夜そのまま食べられるのも良いですね」
ポン酢、ごまだれ、各種ドレッシングのほか、中華だれ、ニンニク醤油、梅しそ和えなど、たれの工夫で様々な味わいを楽しめるし、具材も、ゆできゃべつやきゅうり、トマト、もやし、玉ねぎスライス、オクラと豆腐、海藻類、豆苗やみず菜、パプリカとズッキーニ、焼き茄子、納豆など、バリエーションは豊富。
うどんやそば、パスタ、中華めんなどを茹でてあわせるのも良いだろう。
ちなみに、忙しいお母さんたちに聞いてみると、「とりあえずいろいろのせる丼系」「肉・魚介などと野菜の炒めものが、栄養を一気にとれて手っ取り早い」という声が多数だった。

■ポイント2:作り置きレシピを活用する
「メインのおかず以外は作り置きしておくのも良いですね。たとえば、サラダもレタスサラダでなく、もやしや人参などを混ぜてドレッシングに漬けたり……。ネット上にも『作り置きレシピ』はいろいろあるので、活用すると良いと思います」
たとえば、ナムル(もやし、ホウレンソウ、ニンジン、小松菜、セロリ、ピーマン等)、マリネ、ピクルス、中華風春雨サラダ、野菜の炒め煮・煮びたし(冷やしても美味しい!)、コールスロー、ニンジンシリシリ、キャロットラペ(ニンジンのフレンチサラダ)、たらこニンジン、マカロニサラダ、きんぴら、ひじき煮物、切り干し大根、豆サラダ、そぼろ、ラタトゥイユなど。
その他、「にんじんペースト」や「ホウレンソウペースト」などを作っておいて、ポタージュにする、「そぼろ」を作っておいて丼などにするというアイディアも。

「今の家庭では、昔に比べて冷蔵庫を開けてすぐに食べられるおかずがある家庭が少ないそうです。実家などを思い返すと、冷蔵庫にいつでもそこそこバランス良く、立派なおかずがあって、ご飯だけあればお腹が満たせるようになっていたという方も多いのでは? でも、今のお母さんはそういう習慣が少ないようです」

忙しいお母さんが多いいま、「帰宅したらすぐご飯を炊き、少し手を加えるだけでご飯にできる」のが理想だが……。
「『メインのおかず+サブのおかず+汁もの』というのはベストですが、常にそうでなければいけないわけでもないと思います。むしろ現代人は昔に比べ、タンパク質などしっかり食べている傾向にあるので、忙しい日は作り置きしたサブのおかずとご飯でも十分かもしれません。その分、家族そろって夕食をとれる日には、できるだけ時間をかけて、温かいもの・作り立てのものを食べるというのも良いかもしれません」
我が家の場合、娘の習い事などがない曜日に、揚げ物や焼き物、手巻きずしや各々でトッピングを楽しむ料理などをすることが多く、それが「団らんご飯」になっている。

毎日一家揃って夕食をとるのは、理想的。でも、それができないかわりに、1週間の献立の流れができ、メリハリを楽しむこともできると思えば、案外悪いことばかりじゃないかも?
(田幸和歌子)