エアコンによる温度差問題も、ハートの形で解消?

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「いよいよ本格的に夏が来てしまった」と実感するのは、夜、エアコンなしで眠れなくなるとき。
なぜって、都市部では「ヒートアイランド現象」の影響が、昼よりも夜に出る傾向があるからだ。

実は、東京の地表面被覆の7〜8割が現在、建物や道路になっており、日中にたくさんの日射を受けることで、アスファルトやコンクリートなどの表面温度は50〜60℃にまで達するらしい。

日中は熱が上方に逃げやすいからまだ良いのだが、夜間は熱が風で流れなくなり、無風に等しい状態となる。すると、日中に蓄えられた熱が、夜間の温度低下を妨げてしまうのだ。都市部の夜は、やっぱり本当に暑い。エアコンなしでなかなか眠れないのも当然だ。

さらに、エアコンをつけて眠るにしても、悩みの種は、夫婦間・家族間で、心地よいと感じる温度が異なること。
三菱地所ホーム「住宅と空気環境に関する意識調査」によれば、「家族でエアコンの温度設定でのトラブルはありますか?」の問いに対し、29.7%の人が「はい」と答えていると言う。
また、「トラブルが発生した際にどうしますか?」に対しては、50代以上女性では3割近い人が「別々の部屋で過ごす」と回答し、熟年層の夫婦の間に距離が生まれている現状が浮かび上がったそうだ。

ところで、そんな夫婦間の温度差を解消すべく開発された寝具があると言う。
ロフテーより、6月中旬に発売された「エアコンケット」だ。いったいどんなもの? 広報担当者に聞いた。
「エアコンをつけると『温度差』がある二人が、それぞれ快適に眠れるように、形状を工夫したものが『エアコンケット』です」
二人で使うタイプと、一人で使うタイプ、生活スタイルに合わせて選べるようになっていると言う。

タオルケットは一般的に長方形だが、この「エアコンケット」の場合、「二人用」は図の通り、ちょっと変形したハート型のようになっており、「一人用」は「女性用」「男性用」でカタチが異なる。いったいなぜ?
「中央部分がふくらんだカタチになっているのは、寝返りをうったときに身体になじむラインにしているからです。二人用のほうは、左右非対称の形状で、女性側は足首をしっかりカバーし、冷えが気になる部分が出にくい形状としており、男性側は足首から下は涼しく足先が出やすい長さとしています」

では、一人用の男女差は?
「女性一人用は、エアコンの冷気が入り込みやすい肩を、やさしく包み込む『ハート型』で、男性一人用は首や肩は涼しく、冷えやすいお腹周りはしっかり覆う『ダイヤ型』としています」
いずれも、「卵殻膜加工生地」を採用し、つるつるサラサラの肌触りが、より一層涼しさを感じさせてくれるのだそうだ。
広報担当者は言う。
「私たちの身体は、眠りにつくときにいくつかの準備を始めます。そのひとつが、深部体温を下げるために手足や皮膚から発汗・放熱することです。ところが、夏季は周囲が高温多湿なため、うまく放熱できず、深部体温が下がりにくくなります。すると、寝つきにくくなるばかりでなく、目がさめやすくなったり、深い眠りが減少したりします。寝つきが悪くなって、中途覚醒が起こりやすくなったり、深い睡眠とレム睡眠が減少したりします。特に、室温が29℃を超えると多くの人が目覚めやすくなるため、熱帯夜にはエアコンを上手に使うことをオススメしているんですよ」

暑いと眠れないし、冷えすぎても眠れない、あるいは身体の不調を生じてしまう。
個々が快適に感じる温度を確保するには、上手に「手足などから放熱・発汗」して深部体温を下げつつも、冷えから身体を守ること。

エアコンの温度設定で争う夫婦はもちろん、目が覚めるといつも、タオルケットで全身グルグル巻きになっている女性+タオルケットを蹴飛ばして何もかけていない男性は、寝具を上手に利用してみては?
(田幸和歌子)