サヨナラ勝ちに沸くれいめいナイン

勝ち上がるきっかけに・れいめい

  れいめいは背番号11の川端渓心(3年)、伊集院は20の福田哲太(2年)、2桁番号の先発2人が火花散る投手戦を繰り広げたが、最後は4番・勘場大雅(3年)のサヨナラ打でれいめいがものにした。

 左腕・福田の前に、8回まで散発4安打に抑えられたれいめい打線。だが県大会初先発の右腕・川端も力強い投球で伊集院打線にもつけ入るスキを与えない。終盤は疲れがみえて制球が定まらなくなった福田に対して、れいめいは8回から杉安浩(2年)をリリーフに送る。8、9回を3人ずつで抑え、9回まで伊集院打線を完封。サヨナラ劇の舞台装置は整った。

 そして迎えた9回裏。先頭の8番・杉安が四球で歩き、バントで送って四球、野選で二死満塁の絶好機に主砲・勘場が打席に立つ。前の打席では、気負い過ぎて相手の術中にはまり空振り三振。「周りが見えていなかった」と反省したことを次の打席できっちり修正できたことに湯田太監督は「成長を感じた」という。「(相手よりも)やってきた量が違う。勝つ自信しかなかった」と3球目をきっちりライトに弾き返し、投手戦に決着をつけた。

 持ち味の打線で打ち勝つ野球ではないが、投手を中心に粘り強く守り抜き、我慢して、最後は決めるべき人が決めた。湯田監督は「勝ち上がるきっかけにしたいゲーム」と深い手応えを感じていた。

(文=政 純一郎)