高額年俸選手としての自覚が足りない中村剛也選手
やはりこれは書かなければならないだろう。中村剛也選手は今季も開幕を2軍で迎えることが決定した。ファンとしては非常に残念だ。中村選手には60本塁打への期待が大きかっただけに、開幕を2軍で過ごすということはそれに対する期待を膨らませることも難しくなる。もちろん130試合前後の出場で60本塁打打つことも可能だ。だがそれは決して簡単なことではないどころか、困難を極めるとも言える。
プロの世界は結果がすべてだ。人の10倍20倍努力していようと、結果が出なければそれまでだ。中村選手にしても同様だ。このオフには4年で年俸総額最大20億円という大型契約を結び直した。プロ野球界に於いて年俸5億円というのは、一流中の一流しか得られない非常に大きな金額だ。しかしとは言え、開幕戦から1軍を不在にしてしまうようでは仕方がない。スポーツ新聞やスポーツ誌の場合、選手や球団を批判するような記事を書くと球場への出入りを禁止にされてしまう。だが日刊埼玉西武にはもちろんそのような縛りはない。だからこそ中村選手に対する大きな期待を込め、あえて開幕を不在にする主砲に対し厳しい意見を投げかけたい。
ちなみに年俸5億円を144試合で割ると、1試合当たりの報酬は約347万円となる。サラリーマンからすれば、まるで年収のような日給だ。もちろんプロ野球選手の場合は12ヵ月中、10ヵ月を球団に拘束されてしまうため、これを単純に日給と言うべきではないのかもしれない。だがファンが中村選手のプレーを目の当たりにできる機会は、年144試合しかないのだ。中村選手は、そのことをもっと強く意識しなければならない。仮に130試合にしか出場しなかった場合は1試合当たり385万円となり、120試合まで減ると417万円になる。西武ドームの指定席Bのチケットは2600円だ。つまり中村選手の1試合当たりの報酬が417万円だとすると、その額は指定席B約1600席分ということになるのだ。
ライオンズの黄金時代を振り返ると5億どころか、年俸1億円もらっている選手さえ数えるほどしかいなかった。時代が違うと言えばそれまでであるわけだが、しかし現代はパ・リーグのマーケティングそのものが強化され、プロ野球興行はビッグビジネスへと成長した。それを考えれば選手年俸が高騰してきたのは選手そのものの価値が5倍になったわけではなく、パ・リーグのマーケティング部門、西武球団のマーケティング部門が10倍20倍の努力を行ってきた賜物なのだ。高額年俸選手はそのことを決して忘れてはならない。ファンあってのプロ野球ではあるが、そのファンを一人でも多くスタジアムに呼ぼうと懸命の努力をしているのは球団職員であり、パ・リーグ連盟なのだ。
中村選手は年俸5億円もらっている限り、1試合でも多く試合に出場する義務がある。5億円ももらっていれば普通に考えれば、144試合フルイニング出場を目指すべきなのだ。黄金時代のライオンズを再び思い出してみよう。あの頃の選手は肉離れをしたとしても、レギュラー陣は決して試合を休むことをしなかった。テーピングで脚をグルグル巻きにし、肉離れなどまったくしていないという顔で試合に出続けた。これは誰もが知るような黄金時代不動のレギュラー選手に関する話だ。だが中村選手はどうか。百歩譲って脇腹痛はまだ良いとしよう。脇腹は一度痛めると癖になりやすいし、治り自体も非常に遅い。だが背中の凝りで休むというのは、筆者に言わせればプロ選手が試合を休む理由にはならない。明らかな痛みならばまだ仕方がない。だが凝りや張りで試合を休むというのは筆者には理解できない。
果たして中村選手に慢心はなかったのだろうか。年俸5億円を得たことに胡坐をかき、プロ選手が決して失ってはならないハングリー精神を失ってしまってはいないだろうか。ハッキリ言って年俸5億円というのは独り身であれば、贅沢さえしなければもう一生働かなくても良いような金額だ。もちろん税金が引かれるため、5億すべてを使えるわけではないが、しかし5億円の年収というのは途方もない額であることに違いはない。中村選手の現状の姿を見ると、その金額に対する責任感を感じることができないのだ。例えば「中村選手が出ないのなら開幕カードは西武ドームに行くのをやめよう」と思うファンも少なからずいるはずだ。それはそうだ。ファンは中村選手の豪快な一発を楽しみに西武ドームに行くのだから、その楽しみがないとなれば西武ドームの魅力は半減しかねない。果たして中村選手にその意識はあるのだろうか。
中村選手が初めて大型契約を結んだのは48本塁打で三度目のホームランキングに輝いた2011年オフのことだった。だが以降は2年連続で怪我で本来の能力を発揮し切れていない。一年で48本打てる打者が、この2年間では合計で31本塁打しか打っていないのだ。しかも出場試合は2年間で合計149試合に留まっている。本来であれば2年で280試合以上には出ていなければならないはずなのに。中村選手は今、のんびりし過ぎだ。このままではライオンズの4番打者の座は後輩である浅村栄斗選手に奪われてしまうこともあるだろう。いくらホームランをたくさん打てても、怪我に弱いのでは仕方がない。プロ野球は「無事是名馬」の世界だ。どんなに高い技術を持っていたとしても、試合に出ることができなければまったく意味がないのだ。
筆者は、中村選手に対し大きな期待を寄せている。スワローズのバレンティン選手は昨季、チームが断トツの最下位に沈んでいる状況で60本塁打を打った。だが中村選手には今季、チームを優勝に導くと同時に61本塁打を打ってもらいたいと願っているのだ。それだけ大きな期待を寄せているからこそ、筆者は中村選手の現状に大きな不満を抱いているのである。避けようのない怪我をしてしまったのならば仕方がない。だが今季はそうではない。本人が出ようと思えば十分出られる程度の体ではあるはずなのだ。試合に勝つことやファンに夢を与えることよりも、中村選手は自らの体を最優先させてしまった。筆者の目から見て、正直今の中村選手を格好良いとは思えない。だがもし試合に出続け61本を打ち日本一になった後に「実は開幕時は脇腹や背中を痛めていたんです」と語ったならば、果たしてこれほど格好良い選手は他にいるだろうか。筆者は、中村選手にはそんな、「格好良い選手」になってもらいたいのだ。だが最後に付け加えておくが、プレーがまったくできないレベルのコンディションにあるのならば、それはしっかりと完治させてから1軍に戻って来てもらいたい。やはり中村選手には少なくともこの先10年は西武ドームでホームランを打ち続けてもらいたいからだ。
ちなみに年俸5億円を144試合で割ると、1試合当たりの報酬は約347万円となる。サラリーマンからすれば、まるで年収のような日給だ。もちろんプロ野球選手の場合は12ヵ月中、10ヵ月を球団に拘束されてしまうため、これを単純に日給と言うべきではないのかもしれない。だがファンが中村選手のプレーを目の当たりにできる機会は、年144試合しかないのだ。中村選手は、そのことをもっと強く意識しなければならない。仮に130試合にしか出場しなかった場合は1試合当たり385万円となり、120試合まで減ると417万円になる。西武ドームの指定席Bのチケットは2600円だ。つまり中村選手の1試合当たりの報酬が417万円だとすると、その額は指定席B約1600席分ということになるのだ。
ライオンズの黄金時代を振り返ると5億どころか、年俸1億円もらっている選手さえ数えるほどしかいなかった。時代が違うと言えばそれまでであるわけだが、しかし現代はパ・リーグのマーケティングそのものが強化され、プロ野球興行はビッグビジネスへと成長した。それを考えれば選手年俸が高騰してきたのは選手そのものの価値が5倍になったわけではなく、パ・リーグのマーケティング部門、西武球団のマーケティング部門が10倍20倍の努力を行ってきた賜物なのだ。高額年俸選手はそのことを決して忘れてはならない。ファンあってのプロ野球ではあるが、そのファンを一人でも多くスタジアムに呼ぼうと懸命の努力をしているのは球団職員であり、パ・リーグ連盟なのだ。
中村選手は年俸5億円もらっている限り、1試合でも多く試合に出場する義務がある。5億円ももらっていれば普通に考えれば、144試合フルイニング出場を目指すべきなのだ。黄金時代のライオンズを再び思い出してみよう。あの頃の選手は肉離れをしたとしても、レギュラー陣は決して試合を休むことをしなかった。テーピングで脚をグルグル巻きにし、肉離れなどまったくしていないという顔で試合に出続けた。これは誰もが知るような黄金時代不動のレギュラー選手に関する話だ。だが中村選手はどうか。百歩譲って脇腹痛はまだ良いとしよう。脇腹は一度痛めると癖になりやすいし、治り自体も非常に遅い。だが背中の凝りで休むというのは、筆者に言わせればプロ選手が試合を休む理由にはならない。明らかな痛みならばまだ仕方がない。だが凝りや張りで試合を休むというのは筆者には理解できない。
果たして中村選手に慢心はなかったのだろうか。年俸5億円を得たことに胡坐をかき、プロ選手が決して失ってはならないハングリー精神を失ってしまってはいないだろうか。ハッキリ言って年俸5億円というのは独り身であれば、贅沢さえしなければもう一生働かなくても良いような金額だ。もちろん税金が引かれるため、5億すべてを使えるわけではないが、しかし5億円の年収というのは途方もない額であることに違いはない。中村選手の現状の姿を見ると、その金額に対する責任感を感じることができないのだ。例えば「中村選手が出ないのなら開幕カードは西武ドームに行くのをやめよう」と思うファンも少なからずいるはずだ。それはそうだ。ファンは中村選手の豪快な一発を楽しみに西武ドームに行くのだから、その楽しみがないとなれば西武ドームの魅力は半減しかねない。果たして中村選手にその意識はあるのだろうか。
中村選手が初めて大型契約を結んだのは48本塁打で三度目のホームランキングに輝いた2011年オフのことだった。だが以降は2年連続で怪我で本来の能力を発揮し切れていない。一年で48本打てる打者が、この2年間では合計で31本塁打しか打っていないのだ。しかも出場試合は2年間で合計149試合に留まっている。本来であれば2年で280試合以上には出ていなければならないはずなのに。中村選手は今、のんびりし過ぎだ。このままではライオンズの4番打者の座は後輩である浅村栄斗選手に奪われてしまうこともあるだろう。いくらホームランをたくさん打てても、怪我に弱いのでは仕方がない。プロ野球は「無事是名馬」の世界だ。どんなに高い技術を持っていたとしても、試合に出ることができなければまったく意味がないのだ。
筆者は、中村選手に対し大きな期待を寄せている。スワローズのバレンティン選手は昨季、チームが断トツの最下位に沈んでいる状況で60本塁打を打った。だが中村選手には今季、チームを優勝に導くと同時に61本塁打を打ってもらいたいと願っているのだ。それだけ大きな期待を寄せているからこそ、筆者は中村選手の現状に大きな不満を抱いているのである。避けようのない怪我をしてしまったのならば仕方がない。だが今季はそうではない。本人が出ようと思えば十分出られる程度の体ではあるはずなのだ。試合に勝つことやファンに夢を与えることよりも、中村選手は自らの体を最優先させてしまった。筆者の目から見て、正直今の中村選手を格好良いとは思えない。だがもし試合に出続け61本を打ち日本一になった後に「実は開幕時は脇腹や背中を痛めていたんです」と語ったならば、果たしてこれほど格好良い選手は他にいるだろうか。筆者は、中村選手にはそんな、「格好良い選手」になってもらいたいのだ。だが最後に付け加えておくが、プレーがまったくできないレベルのコンディションにあるのならば、それはしっかりと完治させてから1軍に戻って来てもらいたい。やはり中村選手には少なくともこの先10年は西武ドームでホームランを打ち続けてもらいたいからだ。