東亜学園が6対4で逃げ切り、都立八王子北に勝利 

4回裏、二死一、二塁から3番野瀬祥一郎(東亜学園)がセンター越えの三塁打を放ち2点

 3月23日に日大三高グラウンドで行われた第8ブロック代表決定戦。2試合目の東亜学園対都立八王子北は、先制した東亜学園が、一時同点に追いつかれながらも勝ち越し、6対4で逃げ切った。

 1回表、東亜学園の1番乗松がいきなり、センター越えの二塁打。2番山本のバント、3番野瀬 祥一郎の四球で一死一、三塁のチャンスを作ると、4番木下の左中間への適時打で1点を先制した。さらに、二死一、三塁から6番小澤がライトへの適時打を放ち、この回2点。2回表には、先頭の8番松村がセンター前安打で出塁し、バントと内野ゴロで三塁まで進むと、2番山本のライトへの適時打で、さらに1点を追加した。

 対する都立八王子北も1回裏、1番藤田が左中間への安打で出塁したが、後が続かず。2回には6番諏訪の二塁打、8番田中の安打で二死一、三塁のチャンスを作ったが、9番山田がセンターフライに倒れ、無得点に終わった。東亜学園打線が、この試合初めて三者凡退に終わった3回表。直後の都立八王子北は先頭の1番藤田が四球、3番村田が安打で出塁し、一死一、三塁。4番西澤のセンターへの大飛球が本塁打となり、一気に同点に追いついた。

 ただ、東亜学園も黙ってはいない。4回表、二死一、二塁から3番野瀬がセンターを越す走者一掃の三塁打。2点を勝ち越すと、5回表には相手の失策にバントと、7番合田のレフト前二塁打を絡めてさらに1点を追加した。

 都立八王子北に最大のチャンスが巡ってきたのは5回裏。先頭村田のレフト前安打、相手失策で無死満塁。続く6番諏訪が四球を選び、押し出しで1点を入れた。点差は2点。都立八王子北にとっては同点、そして逆転も視野に入る絶好機。しかし、東亜学園の先発小林 将大は落ち着いていた。

 「ノーアウト満塁だったから、1点は仕方ないと思っていた。フォアボールをもう出さないこと、真ん中と高めには投げないことを意識した」と小林。代打の7番山崎をセカンドゴロ、同じく代打の8番久保島を空振り三振、9番山田をサードゴロに打ち取り、スリーアウト。見事にピンチを乗り切った。

 

5回裏、先頭の村田(都立八王子北)がレフト前安打で出塁

 6回表、都立八王子北は2番手として背番号1の石黒が登板。以降は5回までの展開が嘘のように、石黒と小林の投手戦の模様となり、スコアボードにはゼロが続いた。

 何とか流れを引き寄せたい都立八王子北だったが、「6回に入る前、カーブを使っていけ、と監督に言われて、そこから自分のピッチングができるようになった」と、調子を上げた東亜学園の小林に対し、6回以降は無安打に終わった。

 試合後、東亜学園の上田滋監督は13安打6得点の打線について、「1、3番がちゃんと打ってくれた。全体のバッティングも悪くないと思う。ただ、チャンスでもっと深く打てればいいんだけど…」と、満足していない様子。

 この日、3打数2安打2打点、2四球だった3番の1年生野瀬は、「小林さんが粘って投げてくれているので、とにかくランナーを返すことだけを考えていた」と振り返った。この日の出来は「70点ぐらい」という野瀬。「相手の2番手のピッチャーの変化球に、体が開いてしまった」と反省も口にした。

 4失点ながら、尻上がりに調子を上げて完投した小林は、「春は初登板だったけど、秋より制球力がついて、ストレートが良くなっていると思う。都大会も変化球をうまく使って、テンポのいいピッチングをしたい」と決意を語った。

(文=木村 明日香)