都立拝島、11安打の猛打で勝利!エース中根も1失点完投 

1失点完投の都立拝島・中根修平投手

 対外試合解禁を迎えた先週末、都立拝島は練習試合は組まず、チーム内の紅白戦で実践練習を重ねてきた。都立翔陽との一次予選1回戦が、約4ヶ月ぶりの試合となったが、11安打放って、相手投手を攻略。また、大崩れしない守りで、試合を制した。

 3回表、都立拝島は、一死から1番松井が左前打、2番馬場が内野安打と続き、先制の場面を作る。3番矢口が内野ゴロに倒れ、二死二、三塁となるも、4番吉野の打席で、都立翔陽の先発・國房の投じた二球目がワイルドピッチとなり、この間に三走・松井が生還。 6回表には、5番中根、6番北村、7番清水俵の3連打に、9番松下のレフトへの犠飛で、2点を追加。 さらに7回。3番矢口が左前打で出塁。二死二塁から、6番北村の中前適時打で4点目。続く、7番清水俵も、左中間を割る二塁打を放って、5対0と都立翔陽を突き放す。

 それでも、この試合、都立翔陽ナインの声が小さくなることは、一度もなかった。劣勢だからこそ、全員でチームを盛り立て、チャンスを呼び込み続けた。

 そんな都立翔陽に、好機が訪れたのは、8回裏。先頭で、代打に送られた吉野が、死球で出塁。続く9番渡邉の仕掛けた犠打が、相手の守りのミスを誘って、無死一、二塁とすると、1番武田も三塁線への犠打を決め、走者を進める。一死二、三塁から、2番石川の打球がショートに転がる間に、三走・吉野がホームイン。1点を返す。

 

8回に1得点を奪った翔陽(走者は吉野)

 最終回に望みをつなげたかった都立翔陽だったが、都立拝島の先発・中根修平の前に2得点目は奪えず。9回裏も、4番國房からの打順だったが、打者3人で抑えられ、ゲームセット。5対1で、都立拝島が勝利した。

 9回を投げ被安打5、1失点と好投した都立拝島の中根は、秋の大会では、指の負傷により主戦を外れた。また、2月の大雪の影響から、投げ込みも満足のいくほど出来なかったが、久しぶりの実戦での登板に緊張はなかった。「今日の試合は、とにかく楽しんで投げることを意識しました」と話す中根にも、課題は残った。「投げていて、いい球も何球かありましたが、それよりも高めに浮いてしまう球が多かった。今日のピッチングは自分では納得できない内容です。次の試合までに修正していきたいです」と話した。

 都立拝島は、21日(金)の代表決定戦では、多摩大聖ヶ丘と対戦する。エース中根を中心とした守りに、11安打と爆発した打線の勢いそのままに、2季ぶりの春季東京都大会出場を狙う。

 一方で、都立翔陽も敗れはしたが、昨秋の戦いと比べると、個々に大きな成長をみせた一戦になったという。試合後、負けて涙した都立翔陽ナイン。この悔しさを夏につなげていきたい。

(写真=橋本みづき/文=安田 未由)