ゆうちょ銀行は、NISA(少額投資非課税制度)が始まっても引き続き、自動積立を中心にした手軽でわかりやすい投資の提案を進めている。(写真は、ゆうちょ銀行の盛田孝司氏。サーチナ撮影)

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 ゆうちょ銀行は、NISA(少額投資非課税制度)が始まっても引き続き、自動積立を中心にした手軽でわかりやすい投資の提案を進めている。ゆうちょ銀行の営業第二部資産運用商品企画室担当部長の盛田孝司氏(写真)は、「ゆうちょ銀行の投信ラインアップは、投資リスクがシンプルでわかりやすく、初めて投資をする方にも理解していただけやすいと思います。ゆうちょ銀行を入り口としてNISAで投資を始めていただきたい」と語っている。盛田氏に、ゆうちょ銀行のNISAについて現状と展望を聞いた。

――NISA取り扱いの状況は?

 NISAの取り扱い開始を前にして、2013年12月には、お客さまの間で一旦は保有している投信を売却し、改めて、NISA口座で買い直すという動きもみられました。

 NISA口座で人気のある銘柄は、毎月分配型の投信で、これは、従来の投信の売れ筋と大きな違いはありません。お客さまの間では、投信の値上がり益を狙うというより、安定的な分配金を非課税で得ていきたいという目的でNISAを使われるケースが多いようです。

 また、NISAでは100万円の投資枠を一括で利用なさる方々も少なくないのですが、ゆうちょ銀行では自動積立でNISAを活用される方々が比較的多く見受けられることもゆうちょ銀行のNISA利用の特長の一つといえると思います。

――ゆうちょ銀行のNISAに関するサービスの特徴は?

 ゆうちょ銀行のネットワークの広さは強みになると思います。現役世代で転勤のある方、また、どの地域に引越しされたにしても、日本全国でゆうちょ銀行の支店、または、郵便局がありますので、そのまま変わらずに取引を継続することができます。

 また、取り扱い商品がシンプルで、リスクがわかりやすいものを揃えているということも特徴です。たとえば、価格変動がわかりやすいインデックスファンド、安定した運用成績をめざす債券ファンド、あらゆる資産に分散投資するバランスファンドなど、それぞれ、お客さまが期待する投資成果に合わせたファンドを揃えています。また、投資コストが低いファンドを希望される方には、ネットで購入していただくノーロード(購入時手数料無料)ファンドもあります。

■投資が初めての方にもわかりやすい商品ラインアップ

 ゆうちょ銀行のラインアップは、投資が初めての方でもわかりやすいということを前提に選んでいますので、NISAで初めて投資をお考えの方にもおすすめのラインアップといえます。

 また、3月31日までNISA口座で投信を購入いただいた方にはもれなく1000円分のクオカードをプレゼントするキャンペーンも展開しています。

 NISAの制度については、ホームページに専用の解説ページを設けて説明している他、全国の店舗で開催する資産運用セミナーで紹介し、わかりやすい冊子を作って配布しています。

――NISAの制度に関する改善要望は?

 お客さまから聞くのは、第一に住民票の提出が面倒であるということです。口座を開設するのに手間がかかってしまうという点、また、税務署で確認作業が入るため口座開設まで6週間程度もかかってしまうことがネックになっています。

 次に多いのが、現状は非課税口座の枠が片道使い切りになっていて、一度売却ししまうと、その枠が再利用できなくなっているのを変えてほしいということです。使い切りになるだけに、どの投資信託に投資するべきか慎重になってしまい、結果的に投資に踏み切れないという声もあります。それから、他の口座との損益通算もできるようにしてほしいという要望も良く聞きます。

 また、制度としては、米国でIRA(個人退職貯蓄制度)や確定拠出年金(401k)などが充実しているように、NISAを“はじめの一歩”として非課税での投資優遇制度が拡充されることを期待します。